第89回 「資産」 | インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ

第89回 「資産」

新卒で日本を代表するメーカーに入社し、社内留学制度でアメリカに留学しMBAを取得すると、2年後に年収が上がるので外資系のメーカー企業に転職した人から、転職の相談を受けた。


転職したばかりなので、その理由を尋ねると、「最近、自分と同世代のライブドアの堀江さんはじめ、ベンチャー企業の若いトップ達のファンドに関わるニュースが頻繁に出てきて、自分はモノ創りの会社にいて、これでいいんだろうか?」と焦りを感じるとのことであった。


一気呵成に企業を成長させ、一攫千金を夢見る気持ちは、解かる。


資本の論理だけの目線から、経営拡大やキャリアアップを進めようと行き過ぎているように思うことがある。


経営もキャリアの基本は土台があって、成り立っている。


基礎のトータルな力なくして、ファンドやマーケッター、そしてビジネスマネージメントに向き合ってゆくと、瞬間花火のような状況に陥ってしまう。


すべての企業の営みは、現場で行われている。


現場で生み出された成果が、あるから営業の仕事がある。大学で学んだマーケティング理論で、商品は生まれず、当然ヒット商品を創造できない。


マネーゲームに走ることなく、モノ創りを深く理解した人が、マーケットに向かい、ファンドを活かし、マーケティングを展開した結果、生命力を持った商品がヒットし、結果として力強いキャリアが創られる。


2年程前、501会で、マッキンゼーを退職してベンチャーを起こし、赤字で苦しんでいたDNAの南場さんに、「何故そこまで頑張れるのか?」と質問した際、「自分でこういう事業があれば便利だと思い、多くの人に言ってやり始めたので、やめるとかっこ悪いから!!」と返ってきた。


今年の2月公開を果たし、この会社の時価総額は、1200億を超えた。


マネー先行の世界の人達を否定する気はないが、目に映る表面の世界だけでなく、その背景や土台、根に目を向けて、長期の目線から事業やキャリアが大切だ。






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