第121回 「知識社会での企業の姿」
新たな年を迎え、皆さんいかがお過しですか?
昨年は、政治も経済も自然界も潮目が変わり、国や地域、そして、企業、個人間において、格差社会へのスピードが速まった年であった。
ビジネス界においては、あらゆる業界で新旧交代の企業再編に拍車がかかり、知恵を絞り汗をかきイノベーションしている企業群が、知識産業社会の主役となってきた。
今から10年前、1997年5月1日、インターネット上で、わずか13店のテナントで、楽天市場がオープンした。
現在、楽天市場の出店数は2万店を超え、楽天グループの流通総額が、一兆円に到達した。
わずか10年で、小さな名もないベンチャー企業が、野球球団を持つまでの巨大なグループになると、誰が予測しただろうか?
インターネット上のショッピングモールというアイディアは、楽天が生まれる前から、すでにNTT,NEC、三井物産などを始めとする大手企業が、精鋭を集めてすでにスタートしていた。後塵で、しかも、小さなベンチャー企業の楽天が、何故、急成長を遂げたのだろうか。
私には、未来の姿を信じたアントレプレナーと、その仲間達が、一人ひとりの顧客のニーズに対し、テナントの店主と共に、愚直に一人ひとりのお客様の要望に応え続けた知恵と汗を流す一丸となった集団を創り上げた結果だと思う。
日本企業を代表するトヨタ自動車においても、現場のメンバー達が知恵と汗を集約した独自の生産方式で、新たなコンセプトカーを創り出した。高性能で壊れにくい低燃費車プリウスは、世界の消費者から絶賛され、トヨタは、世界でトップカンパニーとして圧倒的な支持を受けている。
トヨタの企業価値の源泉は、規模やこれまでの労働集約生産ではない、知恵と汗を流した人々の総合力にある。
これからの企業の未来の姿は、価値の本質を理解した知識人集団企業が、イノベーションを興してゆく。トヨタの様な業界での圧倒的シェアNO.1企業か、楽天のように唯一無二の企業によって構成されてゆくだろう。
デジタルジャングル社会で、人と企業が成長していくには、楽天の三木谷さんのような起業家人材を、企業組織の中で活かしていくことにある。
プリウスを生んだトヨタは、企業内チャレンジャーを活かす風土や仕組みを有しているから、イノベーションし続ける世界企業になった。
デジタルネット大陸の出現によって、展開されている今の企業の姿は、まだプロローグに過ぎないのかも知れない。
未来の人と企業の姿は、確実に変わろうとしている。