かずさんと出会ったのは4年前
取引先の社長で彼の仕事のアシストをしていた。
彼の仕事の仕方が好きで指示の仕方が好きであこがれの人だった。
彼の話す仕事の話や奥さんの話や子供の話を聞くのが好きだった。
私も夫のことをのろけたりしていた。
でもそれが恋だなんて一度も思った事はなかった。
彼が「キミを抱きたい」と言うまで。
いろいろあって結局その恋は
「今なら誰も傷つけずにすむ」という彼の言葉で2週間で封印した。
その後仕事で顔を合わせるたびに傷ついた心が悲鳴をあげたけど
会えなくなる寂しさに代えられず必死に耐えた。
4年経って彼に会うことも彼に会えないことも平気になって来たときに
彼から呼び出された。
期待してなかったと言えば嘘になるけど、仕事の話だと自分に言い聞かせて
約束の場所に行った。
お酒が飲めない彼が、ビールを飲んでから言い出したことは
「お金の話」
半年くらい前に会ったとき「新しいことを始めた」と言っていたのは
株のディトレーディングの事だったらしくあまりうまくいってないみたい。
元々彼の奥さんは株とか実態のない物にお金を出すのは嫌いなタイプだし
彼は社長とはいえお小遣い制なので元手がたいしてないから思い切った投資はできなかったみたい。
彼は儲け話に乗って欲しいという主旨の話をしたけど
「私がお金儲けに興味ないの知ってますよね。」という話ではぐらかした。
食事の後お茶を飲んでいるとき、本音を話した。
「私今あなたにお金を貸したら、この先何を言われても、何をしてもらっても「お金の為」って思わなくちゃ行けない」と。
それからこの4年間どんなにつらかったか話した。
彼はその時の心情とその後の気持ちと全部話してくれた。
私を傷つけたことも謝ってくれた。
私が断ったらどうするの?と聞くと奥さんに頼むという。
でも凄くいやそうだった。
結局彼の言った3分の1の金額を貸すことに決めた。
誰に相談されても「絶対ダメ」と答えると思うけど
元彼や好きな人にお金をかす人の気持ちが解った。
普通人に貸すような金額のお金でないけど
返ってこなくても後悔しないと決心して貸すことにした。
彼は1年後に1割増しで返すと言ったけど断った。
私は投資の為にお金を預けたんじゃない。
かずさんだからお金を貸すだけ必要なのは借用書だよと。