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ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

団塊の世代のラストランナー。想い出深い海外駐在当時も振り返りながら「日本再発見」ということで国内あちこちのスケッチを織り交ぜて気ままに、「人生はFESTINA LENTE(ゆっくり急ごう)」

10年ぶりに地元のあざみ野駅に近い「あざみ野アートフォーラム」にある「横浜市市民ギャラリーあざみ野」を訪問した。

 

我が家からのんびり歩いて20分あまり。

丁度いい散歩だ。

 

(2015年9月)

 

先週水曜日(15日)から日曜日(26日)まで開催されている

あざみ野では初開催の「星野富弘 花の詩画展」を観るためだ。

 

星野富弘は1946年4月群馬県勢多郡東村(現在のみどり市)生れで、1970年に高崎市の中学校の体育の教諭になった2ヶ月後、クラブ活動の指導中不慮の事故による頸髄損傷にため手足の自由を失ったものの、その2年後から、奥様特製のイーゼルを使って口に筆をくわえ、ベッドに横に寝ながら、身近に生きる野の花を描き、その絵には飾らない自筆の言葉(詩)を添えた詩画作品を500点以上描き、呼吸不全のため72024年4月に逝去。

(享年78歳)

 

 

我が家には40年前に購入した彼の詩画集が4冊ある。

手ではなく口にくわえた筆やサインペンで描かれた水彩画と詩に加えて幼少期からの花との出会い、周囲とのやりとりなどを綴った随筆はどれも生々しくも生き生きとしたもので心を打たれた作品ばかりだった。

「愛、深き淵より」(1981年 立風書房)

「速さの違う時計」(1992年 偕成社)

「かぎりなくやさしい花々」(1986年 偕成社)

「鈴の鳴る道」(1986年 偕成社)

 

午後の散歩を兼ねて歩いた会場までの道は約25分。

平日ということもあり総数80点の作品をゆっくりと鑑賞することが出来た。

 

例によって写真はNGだったので借りた鉛筆で作品リストに絵のスケッチと詩の書き写した。

 

 

6 「すいせん」(1986年)

「速さの違う時計(199204)」

 

 

10 「へくそかずら」(1985年)

「速さの違う時計(199204)」

 

27  「麦の穂」(1986年)

「鈴の鳴る道」(198612)

 

31 「落葉」(1986年)

「速さの違う時計(199204)」

 

 

 

14 「ぺんぺんぐさ」(1979年)

「かぎりなくやさしい花々(198606)」

冊子「星野富弘の世界 」(202209)

 

 

 

64 「ぶどう」(1991年)

「速さの違う時計(199204)」

 

 

 

58 「とんぼ」(1986年)

「速さの違う時計(199204)」

 

 

いただいたパンフレットによると、入場料は大人600円、中学生以下と障がい手帳を持っている方と介護の方1名は無料。

 

今日の記念に買った冊子はこれ

 

 

最後に「鈴の鳴る道」(1986年12月)のカバー裏の言葉から:

 

 私は一つの作品を仕上げるのに、だいたい10日から15日にかかります。

 一日にどんなに無理をしても2時間くらいしか筆をくわえられません。また筆につける絵の具や水の量などを、私が細かく言葉で指示して、妻がそれを何度も別の紙に塗り、私に見せながら色を作るという、まことに気の長いやり方で描いています。

こんなことができるのも、決して私達二人の力だけではありません。妻が教会に出かけたり忙しい時は、母が代わりをしてくれます。弟夫婦や妹夫婦も陰で助けてくれています。

 そういう恵まれた中で、午前中絵と詩を描き、午後随筆を口述筆記して出来上がったのがこの「鈴の鳴る道」です。

星野富弘(あとがき より)

 

 

彼の生まれ故郷には建物も立派なみどり市立星野富弘美術館があるようなので、是非一度訪問してみたいと思っている。