「ふたたび愛津」その四(来たかった喜多方) | ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

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団塊の世代のラストランナー。想い出深い海外駐在当時も振り返りながら「日本再発見」ということで国内あちこちのスケッチを織り交ぜて気ままに、「人生はFESTINA LENTE(ゆっくり急ごう)」

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-4喜多方スケッチ



10年前までの連続24年程の海外駐在時代、成田空港の売店等ではよくあの海鼠壁のデザインの「喜多方ラーメン」の確か5、6個入りの紙パックをよくお土産に買ったものだ。

このタイプは比較的保存が利くので海外で味わう懐かしい「日本製の日本の味」の一つになった。

でも、実はその「喜多方」が一体何処にあるのかもよく知らなかった。

その地が、芦ノ牧温泉(会津若松市)からさほど遠くない場所だということを確認したので、今回の会津旅行の第4の目的地ということなった。

初めての街の情報は、まずその中心駅(この場合JR喜多方駅)の案内所に行くのが最も手っ取り早くて正確だ。

車であってもまず駅に行く。

ということで、芦ノ牧温泉駅の猫駅長に「さよにゃら」して、会津若松市街経由右手に磐梯山を眺めながら約1時間半のドライブで、JR磐越西線「喜多方駅」に到着。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-1喜多方駅



やはり駅は「海鼠壁」だ。


案内所でいただいた詳しい「喜多方観光ぶらりんマップ」と「喜多方老麺会ラーメンマップ」を頼りに「蔵の街」へ。

「老麺会」のラーメンマップには45店もの店が自慢のラーメンの写真付きで掲載されている。

こんなに種類があるとは悩ましい選択である。

だが、元来が表通りより脇道、裏道を好む人間である。
ついつい路地に吸い込まれて行って見つけた店が「老舗上海」だ。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-2老舗上海



どことなく美味そうな店構えである。

因に、ラーメンマップの説明では;

「器ひとつにも”こだわり”をもってます。喜多方ラーメンの老舗「上海」は、初代店主が中国上海でかかわりをもって以来、半世紀にわたって味づくりにこだわり続けてきました。そのこだわりぬいたラーメンの味と、女性スタッフの優しさを感じにご来店ください。」

(タレはとんこつ・野菜、掲載写真は「チャーシューメン」)
(営業は9:30から15:00まで、但しスープが無くなると閉店。木曜日閉店)

とある。

自分も「上海駐在6年」でもあることだし、迷いは無かった。

この店は、喜多方でも2番目に古い店で昭和23年創業とか。現在の3代目まで店主は女性。そういえば、ラーメン屋の風景であるオヤジさんのかけ声は無い。

メニューもさほど多くはない。

相方は、マップ掲載の定番「チャーシューメン」

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-3チャーシューメン



私が注文したのは、「八重の桜」にちなんだと思われる「桜・塩ラーメン」

何と、「わさび」を付けていただくのだが、これが実に良い。
会津の「わびさび」か?

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-4桜塩ラーメン


札幌、博多と並ぶ「日本三大ラーメン」の一つの「喜多方ラーメン」の風格とそのなかでも老舗としてのこだわりなのか、さすがに美味いラーメンであった。

次回は、是非他の店も挑戦してみたい。


腹ごしらえの後は、梅雨入り前の晴天の中を「蔵のまち」の散策。


駅の案内所で勧められた寺町にある「大和川酒造」は、寛政2年(1790年)創業。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-8玄関



ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-5大和川酒造



ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-7窓



ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-6車輪




酒造工場は郊外に移転して今この建物全体が「北方風土館」となっているが、平日なので人も少ない。

気に入ったアングルなので木陰の蔵の縁石に腰を下ろしてスケッチを。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-9描撮




テイスティングも出来るようだが、今回は車なのでお断りして太陽の眩しい通りに出る。

門の前のすぐ外の狭い石畳の路地に見つけたマンホールにも趣がある。


ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-10マンホール



折曲がった路地を街の北方向に数百m歩くと、これまた駅案内所で勧められた「甲斐本家蔵座敷」(国登録有形文化財)の立派なお屋敷の表通りは店舗となっている。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-14店舗




酒、味噌・醤油を営んだ面影が残る大きな屋敷の裏側。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-13外観





煉瓦造の煙突の後方の一段高い建物が「蔵屋敷」。

漆喰に松の油煙などを混入した非常に高価な「黒漆喰」の蔵だ。岡山の「烏城」に倣って蔵屋敷「烏城」と呼ばれている。



ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-烏城




大きな蔵造りの建物の一階が、総檜造りの広い上段、下段からなる二間(21畳と18畳)の絢爛豪華な座敷になっている。更には12畳の畳廊下があり総計51畳。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-座敷




縁側の2寸厚の床板はケヤキの無垢の板。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-11甲斐本家縁側




縁側廊下の奥の引き戸の戸板がケヤキの一枚ものとは驚きだ。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-ケヤキ引き戸



庭から母屋と表通り黒漆喰の蔵(店舗)方向を望む。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-甲斐本家庭




甲斐本家から駐車場への帰りがけに見かけた電話局。

ロドさんの絵ブログ「一期一繪」-15喜多方NTT

NTTのロゴも含めてしっかり蔵仕様になっているではないか。


岡山の倉敷とはまた違うなつかしい日本の町並み。

「来たかった来ても良かった喜多方は」