号外(大船渡訪問) | ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

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団塊の世代のラストランナー。想い出深い海外駐在当時も振り返りながら「日本再発見」ということで国内あちこちのスケッチを織り交ぜて気ままに、「人生はFESTINA LENTE(ゆっくり急ごう)」

昨日、友人3人と岩手県大船渡市役所に戸田大船渡市長を訪ねた。

彼と私は、27年前英国領香港で同じプロジェクトで仕事をし、その後再度中国でも一緒に仕事をした事がある。

瀬戸内出身の私と違って、大船渡出身の彼は芯が太く粘り強く冷静な理論だが、その暖かい語り口で強者コンサルタントからも信頼は厚かった。

震災直後は連絡の取れなかったが、各国からの支援隊に対して流暢な英語で話している姿をNHKニュースで発見した時は、思わず大きな声で叫んだ。

その後、OB有志四人が発起人となり、連日連夜奮闘されている彼を激励するために会社海外部門のOB有志に呼びかけ大船渡市宛の義捐金を募ったところ、大変便利なメールという手段のお蔭で予想を上回るたくさんの義捐金が集まった。

今回の訪問は、かつての会社同僚からの善意のカタチを直接お渡しするためだ。

$ロドさんの絵ブログ-「やまびこ」よ響け

始発の東北新幹線は「やまびこ」

『やまびこで 響けよ届けよ 同志の心』

水沢江刺駅からは駅レンタカー。

新緑の美しい国道397号(盛街道)経由、幾つかの峠を越えること1時間半で遠くにリアス式の湾が見えてくる。大船渡市役所は過去の大津波の教訓から小高い丘の上に造られている。

市長から震災発生時からの生々しい経過を聴いた後、市内を直々に案内してもらう。

$ロドさんの絵ブログ-大船渡市内

他府県警察のパトカー、自衛隊、重機、トラックが行き交う。報道では判らない悲惨な状況。

ビルの3階まで押し寄せた津波の痕、荷物を壁を破って外に押し出したままの大型倉庫。

$ロドさんの絵ブログ-大船渡港

打ち上げられた漁船やコンテナ、立ち往生したままの二両列車の前後のレールは路床をえぐられ浮いている。

住民は昔からの言い伝えを守り住宅は海抜の高い所に住んでいたので、住宅の被害は他の市に比べると小さかったそうだ。

壊滅した港近くの交差点で見つけた震災前と変わらぬ海風に泳ぐ鯉のぼりに次世代への強い希望のシルシを視た。

$ロドさんの絵ブログ-被災地の希望

帰路は一関駅へ国道45号線を南下。

隣の陸前高田市の惨状を目にして言葉を失う。
数キロ先の山までは一面砂埃と瓦礫の平地。
原色を失った廃墟だ。

同じ日本人として反省すべき過去と、見過ごしてはいけない現実と共に、必ず蘇らせられるよりより安全な未来がある。

あらためて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。