クリントン氏のトランプ対策を箇条書き。アメリカ大統領選挙 | 国際法と国際政治から読み解く現在

国際法と国際政治から読み解く現在

アメリカ在住。国際法が専門分野。話題の政治ニュースを分かりやすく解説。国際政治、憲法、哲学、地域、国際関係学幅広く対応。

トランプ氏クリントン氏もまだ党から指名されたわけではありませんが、両者が獲得代議員数で大きくリードしていることを踏まえると、11月の本選はこの2人の戦いになる可能性が高まっています。

 

そこで、支持連合を率いるムーブオン・ドット・オーグ(Moveon.org)を含む、リベラル派の22の団体がトランプ氏の支持拡大を阻止するため、クリントン陣営の支援で手を組んだようです。彼らは主要都市で「反トランプ」を訴えるデモ行進を行うことを計画しており、オハイオ州クリーブランドで今夏行われる共和党の党大会でもデモ行進する可能性がある。

 

共和党指名候補争いでトップを走るドナルド・トランプ氏の勢いを弱めるため、民主党を支持する各種団体は一致団結して策を講じようとしていて、クリントン氏と民主党候補指名を競うバーニー・サンダース上院議員を支持している団体も含まれています。

 

クリントン氏のトランプ対策

 

・クリントン陣営は侮辱の応酬には乗らない方針でいくこと。

(トランプのライバルである共和党のルビオ議員らの抵抗の失敗に踏まえて)

 

・トランプの暴言にあきあきし、共和党に不信感をもつ無党派の有権者層を取り込む

 

・トランプが排外的主義的な姿勢で一部の指示を得ようとするのに対し、クリントンはマイノリティを含む、全ての国民のための存在でいる姿勢を続ける必要

 

・共和党の中道派の党員からの理解を得る

(共和党内のトランプ嫌いから指示を得る)

 

・討論会で厳しい質問をされた場合に、おどけず、ピンチにも強いことをアピールする

 

・リベラル派の活動家や労働組合、クリントン氏を支持するスーパーPACにトランプ氏の勢いを弱めるために多額の資金を奮発してもらうこと。

(リベラル派団体は数カ月かけてトランプ氏のこれまでのビジネス取引について詳細を調べたり、演説内容を注意深くモニターし、いわゆるトランプの信用を落とす策を強化しようとする)

 

・トランプの低脳な政策決定における国民の不安を仰ぐ

(クリントン氏を支持するスーパーPAC「プライオリティーズUSAアクション」は16日、トランプ氏の外交政策に関する見識に疑問を投げかける動画を公開、米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)は今週、労働者階級の有権者にとってのトランプ氏の魅力をそぐ広告をフェスブックとツイッターに掲載)

 

・女性を味方につけるが、トランプの女性差別に対する批判は控える。

(妊娠中絶権擁護全国連盟や「エミリーのリスト」といった女性の人権を擁護する主な団体も反トランプ・キャンペーンを計画中)

(クリントン氏は「女性差別的な傾向がある」としてトランプ氏を批判し際に、ビルクリントンの不倫の話などで10倍返しされた経験)

 

以上のように、指示する有権者にとって、ヒラリークリン氏自身には言ってほしくないことを代理で言う人が大勢必要かもしれません。大統領候補者としての自身の政策を固め、個人的な問題を解消することを優先しなければなりませんが、トランプ氏が相手となると、なんらかの構えがいるでしょう。