インテルメッツォ日記〜その後 -13ページ目

インテルメッツォ日記〜その後

京王線仙川にあった小さなオーセンティックバーの元マスターが振り返るちょっと粋な日々

3月22日 抹茶ビア
「お菓子のまちおか」では抹茶フェアをやっている今日この頃。今宵は抹茶のスタンダードカクテルをご紹介します。使用するリキュールはサントリージャポネ。京都宇治で摘まれた良質の抹茶と玉露を浸漬した日本のオリジナルリキュールです。和の素材がリキュールに加わることにより日本の季節に合わせたカクテルを簡単に作ることができるようになりました。抹茶の程よい苦みはビールとよく合いますよ♪

3月19日 ジン・トニック
バーで一番ご注文の多いのはジントニックではないでしょうか?
作り方は店それぞれですが、ポイントは3つあります。
①ジンを何にするか(前述通りジンの味はブランドによってかなり違います)②ライムをどう処理するか(全く入れないところもありますが、果汁だけを入れるところもあります)③トニックウォーターを何にするか(後ほど詳しく)
当店での作り方をご紹介すると・・・、まずグラスの口を1/8カットしたライムでリンスした後、そのままライムをグラスに絞り入れます。氷を入れてジンを注ぎます。ジンは爽やかな柑橘香のするタンカレーを使います。ジンとライムを再度馴染ませます。トニックウォーターを注ぎ、静かに上下にバースプーンを動かし、完成です。...
簡単な作業ですが、ご自宅では決して再現できません。だからジントニックはバーで飲まれているのでしょう。ビールよりジントニックのオーダーの多い店はきちんとしたバーだと思います。
ところでジンの相方であるトニックウォーターはジントニックの味に大きな影響を与えることは自明の理。 私は以前から必要以上に甘い市販のトニックウォーターにどうにも馴染めず(以前いた銀座の店の教えもあり)、トニックウォーターを7割程度に抑え、残りは炭酸を加えて「ジントニック」としてお出ししていました。これ、本当はジンソニックといいます。
しかし、あるお酒の展示会でお土産として貰ったイギリスのフィーバーツリーという銘柄に出会い、翌日には即これに切り換えることにしました。そのくらいこの銘柄との出会いは衝撃的でした。
そもそも今まで日本で入手出来たトニックウォーターは人工のフレーバーを添加したもので、本当のトニックウォーターではありませんでした。トニックウォーターは本来マラリアの予防に効くと言われるキナの皮の抽出物(キニーネ)が使われます。日本ではこのキニーネが一部劇薬指定されている為、なかなかこの本物が手に入りませんでした。フィーバーツリーはこのキニーネを使った本物のトニックウォーターなのです。甘みも非常に少なく使いやすい。
フィーバーツリーのお陰で今はジンソニックをジントニックとしてお出しすることもなくなったという訳です。

春はバーデビューされる方も多いはず。ここはまずファーストオーダーをジントニックで、いかがでしょう?

3月18日 スプリング・フィーリング

このカクテルのレシピはジン+シャルトリューズ(
ヴェール)+レモン。これらをよくシェイクします。レモンを抜くとグリーンアラスカというカクテルになります
シャルトリューズには緑のヴェールと黄色のジョーヌがあります。見た目の印象同様、ヴェールは緑の薬草の香り、ジョーヌは黄色く甘い蜂蜜の味がします。気品も歴史もあることから「リキュールの女王」「飲む香水」などと呼ばれ、フランスの上流階級に好んで飲まれてきました。(一方、その頃の労働者はアブサンを飲んでいました)...
1767年にシャルトリューズ修道院でヴェールの製造がはじまり(ジョーヌはその50年後)、レシピは現在でもこの修道院の修道士3人のみが知るという現代の都市伝説。現在、130種類のハーブ、5回の浸漬と4回の蒸留を経て調製されるところまでは公開されています(将来食品表示法が変わったら全て公開されてしまうのでしょうか)。
緑のヴェールはアルコール度数が55度もあります。シャルトリューズは同じく薬草のスピリッツであるジンと合わせることが多く、カクテルは極めて強いものが多いです

目の覚めるような強さと爽やかな緑の香り。長い冬の眠りから目覚めた動物たちは緑色の春の香りを全身で感じる。それがスプリングフィーリング。
そろそろ目覚めましょうか・・・。
3月17日 ドリーム
ブランデー+コアントローにペルノを少々。アルコール強めのナイトキャップ(寝酒)です。

一気に暖かくなり、春の準備も進む頃、叶えた夢も、叶わなかった夢も、花のような穏やかな空気に包まれ、新たなステージへ。
ドリームはブランデーの優しい気泡に包まれた甘いカクテルです。

3月15日 オールド・パル
今日明日はご子息が卒業式という方も多いのではないでしょうか?
少し寒かったけれど、こんな晴れやかな空の下で行われる卒業式は必ずや思い出に残るものになったことでしょう(^^)。

オールド・パルは、ライウィスキー+カンパリ+ドライベルモットをミキシンググラスでステアする強いカクテル。...
3種類のお酒をステアする異色のカクテルです。おまけに3つの材料は、互いに何も関連がないバラバラの組み合わせ。

その何も関係ない素材がミキシンググラスの中でひとつになる時、そこに新たなカクテルが生まれます。

オールド・パルは「旧友」のこと。
何も知らない者同士が共に歩き、同じ釜の飯を食い、それがいつしか貴く永い友情になる。
「オールドパル」の作者はそんなことを言いたかったのかも知れませんね。

3月14日 舞乙女(まいおとめ)
レシピは焼酎+フランボワーズリキュール+コアントロー+レモン+グレナデンシロップ。
春を待つ乙女をイメージしたカクテルはフランボワーズの香りとグレナデンシロップの甘さが際立つ可愛らしいカクテルです。
1984年のHBAカクテルコンペの優勝作。焼酎には福岡の「紅乙女ゴールド」というゴマ焼酎を使用します(今回は麦焼酎で代用しました)。

3月13日 イエス&ノー
ブランデーにキュラソーを4滴、卵白を入れ強くシェイクします。
ほとんどブランデーですが、卵白のホイップ感も手伝い円やかな口当たりになります。ブランデーは元々ブドウ由来の独特の濃縮感(コシ)がありますが、シェイクをかけ、新たに空気を取り入れることによって最初の印象(口当たり)は大きく変化します。
ウイスキーよりブランデーが好んで使われるのもこのマジックに秘密がありそうです。
...
明日はホワイトデー。
バレンタインの一ヶ月後にその返事を出すこのイベントは、既定路線を確認するカップルのための特別な一日となりました。

ブランデーは劇的に変化しますが、このカクテルは、Yes or No ではなく Yes & No 。・・・こちらの方が前向きですね♪。

皆さまにとって今年もよりよいホワイトデーとなりますよう、今宵はこの一杯を(^^)。

こんにちは。しばらくカクテルをご紹介します。
ちなみに、ご紹介するカクテルは昨年Facebookページに毎日日替わりでUPしていたものです。
皆さまのご来店をお待ちしております。

3月12日 スプリング・オペラ
 レシピはビフィータ(ジン)+桜リキュール+ピーチリキュール+レモン。これらをシェイクして出来上がったカクテルにオレンジジュースを注いで層にします。更にミントチェリーをグラスの底に沈め、春の三重唱♪♪♪。
二週間後の桜の開花が楽しみなカクテルです。

こんにちは。インテルメッツォの尾形です。

今日は久しぶりにカクテルをひとつご紹介します。
その前に「オールドラングサイン」(Auld Lang Syne)という一遍の詩をご紹介します。

『旧友は忘れていくものなのだろうか、 古き昔も心から消え果てるものなのだろうか。
友よ、古き昔のために、 親愛のこの一杯を飲み干そうではないか。 我らは互いに杯を手にし、いままさに、 古き昔のため、親愛のこの一杯を飲まんとしている・・・』

これは「マッサン」で歌われている「蛍の光」の原曲です。この詩を書いた人物はスコットランドの詩人ロバート・バーンズです。バーンズの詩はスコットランドの魂と言われ、特にこの詩は有名でスコットランドの準国歌として広く親しまれているそうです。

カクテル「ロバート・バーンズ」は、スコッチウィスキー+スィートベルモットにペルノとアンゴスチュラビターズを少々入れてステア、最後にカクテルピンに刺したマラスキーノチェリーをグラスに落とします。「ロブロイ(スコッチマンハッタン)」というカクテルをアレンジしたものですね。甘く濃厚な味わいのする大人のカクテルです。
当店ではこのカクテルのベースに「Bell's」という銘柄を使います。「Bell's」はこのウィスキーを開発した稀代の名ブレンダ―、アーサー・ベルという人物の名前に因んでいますが、後のイギリスではウェディングベルに準えて門出を祝う酒として広く浸透しています。

'afore ye go'(船出の前に!)・・・これはアーサー・ベルが乾杯の時によく口にした言葉です。

「マッサン」では出征前の悲しい歌になってしまった「オールドラングサイン」ですが、平和な時代のこの季節、どこからかきこえてくる「蛍の光」にも新たな哀愁を誘います。

出会いと別れ、古き良き昔のため、親愛なるこの杯を!
https://www.facebook.com/Intermezzo2006?ref=br_rs

世界にはその土地の気候風土に見合ったウィスキーがあります。
ウィスキー=スコッチというわけではありません。実際今のウィスキーはスコットランドで製法が確立されましたが、起源はスコットランドの隣、アイルランドにあるとされています。

今、世界には5大ウィスキーと呼ばれるウィスキーの「産地」があります。アイリッシュ、スコットランド、アメリカン(バーボン)、カナディアン、そしてジャパニーズです。
ジャパニーズウィスキーはスコッチウィスキーを手本にしていますが、スコッチとは違う発展を遂げてきました。...
昨今、ジャパニーズウィスキーの品質は世界中で極めて高く評価されていますが、それはスコッチの製法を徹底的に模倣したからというわけではありません。その訳は・・・

さて、ブレンドウィスキーは複数(一般的には20~30くらい)の麦芽由来のモルトウィスキーと穀類由来のグレーンウィスキーを配合したもののことをいいます。スコッチ(ブレンド)ウィスキーは100以上あるモルトウィスキーの蒸留所から原酒を買い付けてそれを配合(つまりアウトソーシング)していますが、日本ではすべて自社が一括して製造しています。
つまり日本のウィスキーメーカーは分業はほとんどしない代わりにさまざまな個性のある原酒を複数ストックする必要があったのです。それが技術の創意工夫を産み柔軟性に富む質の高い原酒を生み出す原動力になりました。
後発で、参入障壁が異常に高く結果サントリーとニッカしか生産者が存在しなかったため、一見効率の悪いこの方式がとられました。それが逆に好循環を生んだのです。
とにかくいろんなことをやるしかなかった。辛抱強さとチャレンジスピリッツにかけては日本人の右に出る者はいないのですから。

生産技術の努力とともに営業の努力も忘れてはいけないでしょう。

戦後日本橋に本社のあったサントリーは「二本箸作戦」という営業を徹底的にやりました。つまり二本箸で食事をする飲食店(寿司店とか割烹店)にくまなく営業をかけて、当時の主力製品「サントリーオールド」を置いてもらうようにしたのです。その結果、1970年代には日本中の寿司店のボトル棚は日本酒からサントリーオールドに入れ替わったと言われるほど食中酒としてのウィスキーが浸透します。高度成長期の映画、森繁の「社長シリーズ」などでもウィスキーは欠かさず登場しますね。
そんな営業努力も実ってサントリーオールドは1980年、ウィスキーの出荷量があのジョニーウォーカーをおさえて世界一を記録しました(当時「オールド」は輸出していなかったのでこれは驚異的な記録です)。

造る努力とそれを根付かせる努力。どちらが欠けても日本のウィスキーの名声はあり得ませんでした。

今のサントリーのチーフブレンダ―輿水精一氏の著書に「ウィスキーは日本の酒である」(新潮新書)という本があります。造り手、売り手の努力には改めて敬服するばかりです。ウィスキーはその地に根付いた食文化なのです。


「世界にはその土地の気候風土に見合ったウィスキーがあります。ウィスキー=スコッチというわけではありません。実際今のウィスキーはスコットランドで製法が確立されましたが、起源はスコットランドの隣、アイルランドにあるとされています。今、世界には5大ウィスキーと呼ばれるウィスキーの「産地」があります。アイリッシュ、スコットランド、アメリカン(バーボン)、カナディアン、そしてジャパニーズです。ジャパニーズウィスキーはスコッチウィスキーを手本にしていますが、スコッチとは違う発展を遂げてきました。昨今、ジャパニーズウィスキーの品質は世界中で極めて高く評価されていますが、それはスコッチの製法を徹底的に模倣したからというわけではありません。その訳は・・・さて、ブレンドウィスキーは複数(一般的には20~30くらい)の麦芽由来のモルトウィスキーと穀類由来のグレーンウィスキーを配合したもののことをいいます。スコッチ(ブレンド)ウィスキーは100以上あるモルトウィスキーの蒸留所から原酒を買い付けてそれを配合(つまりアウトソーシング)していますが、日本ではすべて自社が一括して製造しています。つまり日本のウィスキーメーカーは分業はほとんどしない代わりにさまざまな個性のある原酒を複数ストックする必要があったのです。それが技術の創意工夫を産み柔軟性に富む質の高い原酒を生み出す原動力になりました。後発で、参入障壁が異常に高く結果サントリーとニッカしか生産者が存在しなかったため、一見効率の悪いこの方式がとられました。それが逆に好循環を生んだのです。とにかくいろんなことをやるしかなかった。辛抱強さとチャレンジスピリッツにかけては日本人の右に出る者はいないのですから。生産技術の努力とともに営業の努力も忘れてはいけないでしょう。戦後日本橋に本社のあったサントリーは「二本箸作戦」という営業を徹底的にやりました。つまり二本箸で食事をする飲食店(寿司店とか割烹店)にくまなく営業をかけて、当時の主力製品「サントリーオールド」を置いてもらうようにしたのです。その結果、1970年代には日本中の寿司店のボトル棚は日本酒からサントリーオールドに入れ替わったと言われるほど食中酒としてのウィスキーが浸透します。高度成長期の映画、森繁の「社長シリーズ」などでもウィスキーは欠かさず登場しますね。そんな営業努力も実ってサントリーオールドは1980年、ウィスキーの出荷量があのジョニーウォーカーをおさえて世界一を記録しました(当時「オールド」は輸出していなかったのでこれは驚異的な記録です)。造る努力とそれを根付かせる努力。どちらが欠けても日本のウィスキーの名声はあり得ませんでした。今のサントリーのチーフブレンダ―輿水精一氏の著書に「ウィスキーは日本の酒である」(新潮新書)という本があります。造り手、売り手の努力には改めて敬服するばかりです。ウィスキーはその地に根付いた食文化なのです。※さて私事で恐縮ですが、私は寿司を食べる時は大抵ウィスキーの水割りを飲みます。和食にはほのかな樽香がとても合います。水割りをつくるのが面倒な方はあらかじめつくった水割りを冷蔵庫で保管されることをおすすめします。⇒ボトルの中のウィスキーが1/3~1/4に減ったところで水を加えます。アルコール度数はワインほど。つくりたての水割りとは全く違う円やかな水割りになっていることに驚かれると思います。尚、食後はストレートかロックでどうぞ。」