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インテルメッツォ日記〜その後

京王線仙川にあった小さなオーセンティックバーの元マスターが振り返るちょっと粋な日々

『モヒート』
照りつける太陽に萌えるミントの清涼感。
ヘミングウェイも愛したハバナのカクテル。
史上最強の5月にはこれですね。

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カクテル『ブルー・マンデー』

天気が良く空が青いと屋外で過酷な農作業を強いられる。
それが「ブルー」の始まりなのだとか。
「ブルース」もアメリカ南部の綿畑で働く黒人の魂を歌ったものが始まり。...
明るい太陽と青い空を遡ると時に哀愁の影が見え隠れします。

このカクテルはウォッカ+ブルーキュラソー+ライムをシェイクしてつくる黄金レシピのショートカクテル。

5月の美しき「ブルーマンデー」は一服の清涼剤、かも知れません。

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4月29日 ボサ・ノヴァ
こんなうららかな日にはボサノヴァが似合います。

  連休が明けるとまた忙しない毎日が始まると分かっているけれど、日中に軽いお酒を傾ける、明るい日差しの東京も悪くありません。

ブラジルと同じ太陽が降り注ぎ、爽やかな風が穏やかに流れ、時間は静かに止まる。
「彼女の歩く姿は一遍の詩のよう、ここを通り過ぎる誰よりも美しい」(イパネマの娘)

街のオープンテラスから感じる至福の季節。
生命の息吹に包まれながら傾けるグラスの向こうを通り過ぎて行きます。

このカクテルはダークラム、ガリアーノ、アプリコットブランデーとパインジュースをグラスで合わせる優しい口当たりのカクテルです。

https://www.youtube.com/watch?v=D6nSPW3kLjM

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4月28日 ダイキリ
ラムとライム、シロップをシェイクする有名なカクテルです。キューバのダイキリ鉱山で働く鉱夫が飲んでいたことから命名されました。またフローズン・ダイキリはノーベル酒飲み賞、文豪ヘミングウェイがモヒートと共に生涯愛飲していたカクテルとしても有名です(8/9をご参照ください)。
このダイキリ、本来はホワイトラムで作りますが、今回はダークラムで作りました。これ、別名あるのでしょうか?いずれにせよダークラム(今回はアプルトン12年エステート)を使うと、コクが増し、味も円くなり、全く新しいカクテルとなります。
これはテキーラベースのマルガリータでもよくやります(テキーラは熟成の浅いレポサドがベスト)。あのテキーラ特有のクセは収まりますが、テキーラになかった上品さも加わり、こちらも大変美味ですね。

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4月22日 アディントン
ドライベルモットとスィートベルモットをソーダで割ったカクテルです。
「チンザノ・ロック、ライム入れて」と、ベルモット自体が以前のように飲まれることはめっきり少なくなりましたが、このアディントンはたまにご注文を受けます。
ベルモットはワインに香草類を浸漬したフレーバードワインで、ドライ、スィート、ロゼがあります。ドライベルモットをフレンチベルモット、スィートベルモットをイタリアンベルモットと呼んだりします。イタリアのチンザノ、マルティーニ、フランスのノイリー、が三大ブランドで、これ以外を見かけることはあまりありません。
ワインベースなので低アルコール、甘くも辛くもなく一見薄味すら感じるベルモット。マティーニやマンハッタンなどのスタンダードカクテルの相方になることも多く、目立たない存在ではありますが、主役に据えるとやはり「いい仕事」をします。...
ベルモットは名脇役なのです。

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4月19日 ウィスキートニック
ピートの香りがするウィスキーに苦みの強いトニックウォーター。ジントニックはあまりにも有名ですが、こちらの深遠な樽香の広がりもまた魅力的。ウィスキーのモルト感やピート香をより味わいたい方はライム抜きでどうぞ。

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4月18日 デュボネ
カクテル「デュボネ」にはデュボネ社のデュボネというリキュールを使います。デュボネは赤ワインにキナの皮を漬け込み、樽で熟成したリキュール。キナの皮からはトニックウォーターの苦みの元であるキニーネが抽出されます(キニーネは日本では依然「劇薬指定」されています:詳しくは3/19のジントニックの頁をご覧ください)。
このカクテルはジン+デュボネをミキシンググラスでステアします。
デュボネはベースが同じワインのベルモットに通じるところがあり、デュボネ・カクテルはマティーニに匹敵する奥深さがあります。ジンの選択、2つの素材の割合で、そのバーの特長が大まかに分かります。マティーニを極めようとするバーホッパー(短時間でバーを渡り歩く人=特に銀座に多く出没)の方は大変多いのですが、それをこのデュボネに換えてみるのも一興。逸話こそ劣りますが、試す価値有りですよ。

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4月17日 ワラタム
ラム+ドライベルモット(フレンチベルモット)とグレナデンシロップを4ダッシュ(滴)。これらをステアします。ほぼラムベースのマティーニです。
カリブ海の島々はラムの大生産地として数えきれないほどのバラエティに富んだラムを産出しています。これらの島々は大航海時代以降、欧州列強が植民地支配した経緯から今もヨーロッパの海外県として存在する島が多く存在します。だからボトルに表記されている「ラム」の綴り方でどこの国の植民地だったかが分かりますよ。ボトルのラベルをよく見るとイギリスはrum、フランスはrhum、スペインはronと表記されています。

1780年4月17日はカリブ海西インド諸島マルティニーク島沖でイギリスとフランスによる海戦のあった日。大航海時代から19世紀初頭までカリブ海では四六時中列強がドンパチやっていたそうです。...
コロンブスに「世界で最も美しい場所」と言われたこのマルティニーク島も1658年にフランス軍が抵抗する島民を虐殺、島民は絶滅したといいます。島の植民地化が進むと、マルティニークはアフリカから奴隷貿易で連行された黒人奴隷によるサトウキビのプランテーション(大農園)で経済的に発展し、三角貿易(アフリカで奴隷を買い⇒カリブでラムを作り⇒欧米でラムを売る⇒そのお金で奴隷を買う)によってフランス本国に多大な利益をもたらしました。
肌の色によって全ての序列が決定される階層社会が成立したのです。
「西洋は思想や価値や宗教の優越によってではなく、組織化された暴力の優越によって世界を勝ち取った。西洋人はしばしばこの事実を忘れるが、西洋人以外は決して忘れない。」(サミュエル・P・ハンティントン)

これはラムの悲しい歴史のほんの一例。西インド諸島の島々の多くはラムを通してこのような苦い歴史を経験してきました。
明るい太陽と美しい海のカリブの島々、陽気な印象のあるラム酒は皮肉にも苦難の歴史の過程で世界中に広まったのです。

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4月16日 チャーリー・チャップリン
アプリコットブランデー+スロージン+レモン果汁を等量シェイクし、ロックスタイルで提供します。
アプリコットの甘さとスロージンの酸味が同時に楽しめます。・・・まるでチャップリンの映画のように・・・。

スロージンのスローとは「遅い」という意味ではなく、「スモモ」の一種であるスローベリーのことを指します。もともとイギリスの家庭で造られている「梅酒」のような存在で、当地では広く飲まれています。ちなみにスモモは中国原産で、漢字では「李」と書くそうです。英語名はプルーン、プラム、、こちらの方が一般的ですね。

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今日は「喜劇王」チャーリー・チャップリンの生誕日(1889~1977)。酸いも甘いも多くのエッセンスが詰まったチャップリンのサイレント映画は時代を超えて今も生き続けています。ユーモア、哀愁、テンダー、涙・・・。

Smile!・・・、(^^)。 チャップリンの声なき声は、今もあなたにささやいているかも知れません。
チャップリン、踊っていませんか?

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4月14日 ディタ・グレープフルーツ
ライチのリキュール、ディタは柑橘系フルーツとの相性が良く、ディタ・グレープフルーツは人気があります。
ディタをグレープフルーツで割るだけの簡単レシピです。
だからどんな酒場でも手軽にメニューに出すことができます。
  以前、新しく入ったスタッフにグレープフルーツの搾り方を教えようとしたところ「わかりました!これを切ってグリグリ回すんですよね」と言われ、一から教える羽目になりました。まるで漫画「バーテンダー」の1シーンのようですが、これから彼はバーのやり方をマスターして行くのです。...居酒屋に行くと半分にカットされたグレープフルーツがスクイザーと共に出てきて、自分でグリグリやりますね。確かにフレッシュで良いのですが、それではグレープフルーツの苦みまで一緒に搾ってしまうことになります。  バーは高い付加価値を頂いている手前、グレープフルーツひとつ搾るにも独自のやり方をします。
細かな点は割愛しますが、苦みの多くは厚い皮の部分や芯の部分から出ますので、そこを外して搾ってやります。スクイザーの端で搾ることによりピール(苦み成分)を外にはじき出してやります。指先ではなく、指の腹全体で丁寧に搾ることも重要です。 搾ってからしばらく置いた方が味が落ち着くので、必ずしも搾りたてが良いとは限りません。
グレープフルーツは他の多くのフルーツ同様、季節によって産地が変わるので、甘さが異なりますが、しっかり完熟したもの、重さのあるものを選ぶのがポイントです。
物凄く安価な居酒屋の努力には敬意を表しますが、我々はまた違う価値をお客さまに提供しており、それに共感していただける方がおひとりでも増えるといいな、と常々思っております。

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