インテルメッツォ日記〜その後 -10ページ目

インテルメッツォ日記〜その後

京王線仙川にあった小さなオーセンティックバーの元マスターが振り返るちょっと粋な日々

先日、スタッフとウィスキーの有料試飲会へ行ってきました。

ここ最近は試飲会もろくに行っていなかったので、久しぶりの雰囲気は新鮮でとても楽しかったです。

業務用展示会ではなく、一般向けの試飲会なので、これと言ったヴィンテージものやレアモルトがあったわけではありませんが、銘柄もそこそこ多く、改めて発見することも多い実りある機会でした。

最近のウィスキーは○○年という熟成年数の表記されたものが随分と少なくなってきました。

まだまだ主流にはなりませんが大きな潮流としてこのヴィンテージ表記はなくなっていくのではないかと改めて感じています。

飲み手の側からすると、「長い樽熟成=希少=高い=美味」と結びつけがちですが、あながちそうではないんだよということを売り手がどれほどの誠意で示せるか注目したいところです。

ちなみに皆さん誤解されがちですが、そもそもウィスキーの○○年ものというのは、○○年もののお酒しか入っていませんよ、というわけではありません。○○年が一番若いお酒ですよ、ということなのです。買い手側からすると未熟な原酒がたくさん入っていないという最低の品質保証にはなりますが、作り手からすると若いけど魅力的な原酒が使えないといった味の創造にいろいろと制約が出てきてしまいます。
ただ買い手側の気持ちとして、「ノンヴィンテージ=コストカット」と映ってしまいます。この「誤解」の解消には少し時間がかかるかもしれませんね。

今、グレンモレンジを皮切りにサントリーなどは積極的にこの「壮大な闘い」に挑んでいます。

先日、ある会でサントリーの名誉チーフブレンダ―の輿水精一さんとお会いする機会がありました。
輿水さんはブレンダ―になる前は樽管理の専門家でしたから、若くても魅力的な原酒の可能性を遥か以前から感じていたんだなと改めて思いました。
輿水さんのような世界のトップブレンダ―たちが中心となってこれからウィスキーは新しい時代を迎える予感が大いにしています。

試飲会へ行くと本当にウィスキーの個性はさまざまで、高ヴィンテージが決して美味しいとは限らない奥の深さを感じたりもします(これはウィスキー初心者の方でも必ずわかります)。
かなりの種類を飲んで上機嫌でしたが、こういう有料試飲会のようなものを当店でもやってみたいなと思いました。


とぅるりら とぅるりら
風は秋色、和梨の季節。
ジンと和梨の珠玉のコラボ。

秋はフレッシュカクテルで。

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BAR INTERMEZZO
調布市仙川町1-12-51 フジトビルB1F
OPEN:19:00
シルバーウィーク期間中の休業日:23日(水)
20日(日)~22日(月)までは休まず営業いたします。

Intermezzo(インテルメッツォ)さんの写真
こうも毎日毎日雨が降るとスカッとした青空が恋しくなります。雨空も見飽きてきました。

よくお客さまに「雨の日は商売あがったりでしょ?」と訊かれます。

あまり認めたくありませんがそれは周知の事実です。

どの業界もそうだと思いますが私のサラリーマン時代も目標未達成の一因を天気にすることは御法度でした。天気や景気のせいにするのは簡単ですからね。

私の田舎は北海道恵庭市という人口7万人ほどの小さな町です。

大都市札幌との距離は近いのですが、これといった産業もなく、駐屯地や演習場が複数ある自衛隊の街。そして近年は札幌のベットタウンとして宅地開発が進んでいる静かな住宅地です。

その市内の新興住宅地の中に一軒のジェラート専門店があります。

このささやかな人口に対してジェラートの需要がそんなにあるのかと誰もが首をかしげるところですが、実はこのジェラート店こそ客足が途絶えることのない街一番の人気店なのです。

人気の理由は・・・美味しいから。

特別安いわけでも立地がよいわけでもありません。皆わざわざ車でジェラートを食べにやってきます。

皆が喜ぶおいしいものをつくれば誰かが受け入れてくれます。

考えてみると単純なことです。

そしてこの永遠不滅の単純法則を作り手がどれほど真摯に受け止めるかに商売の成否はかかっているような気がします。

私もここが好きで来ていただいているお客さまの期待を裏切らないように日々淡々と美味しいお酒を提供していきたいと思います。

雨
唯一の黒いリキュール、オパール・ネラはイタリア語で「黒いオパール」の意味
もともとこのリキュールはサンブーカというイタリア特産の無色のリキュールで、ペルノーなどと同じアニス系の仲間です。原料のエルダーベリーの果実から色を抽出して漆黒のリキュール。カクテル、ブラックレインはこのブラックサンブーカをシャンパンで割ったもので、 松田優作の遺作となったハリウッド映画「ブラックレイン」から命名されました。この映画の公開は1989年、もう25年も前なんですね。派手なアクション映画でした
この「ブラックレイン」というタイトルは広島の原爆直後に降った「黒い雨」から採られたと言われています。

戦後70年。今は平和な世界を祈るばかりです。

ギムレット
1890年頃、イギリス海軍の軍医であったギムレット卿が、艦内で将校に配給されていたジンの飲み過ぎを憂慮し、健康維持のためにライム・ジュースを混ぜて飲むことを提唱したのがギムレットのはじまり。
ギムレットは長い歴史の中で、現在大きく2つのレシピが存在します。
カクテルはオリジナルレシピとそこから派生したレシピが全く違っていることがよくあります。代表的なのはシンガポールスリングで、オリジナルが甘いトロピカルカクテルであるのに対し、日本やイギリスの多くのバーではジンフィズにチェリーブランデーを加えたものが出てきます。共通している材料はジンとチェリーブランデーのみ。変われば変わるものです(^^)。
このギムレットもオリジナル版と発展型は若干違っています。レシピは同じで、ジン+ライム+シロップをシェイクします。違いはライムにあります。...

オリジナル版のライムは、コーディアルライム(甘味付のライム・ジュース)を使用します。コーディアルライムはスーパーでも注意してみると見かけることがあります。日本では専らチューハイの割り材として使われていると思います。大抵は鮮やかなグリーンに着色されています。

「ギムレットの作り方をしらないんだね」レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説『長いお別れ(ロング・グッバイ)』の中でギムレットのこだわりは次のように語られています。「ライムかレモンのジュースをジンとまぜて、砂糖とビターを入れれば、ギムレットができると思っている。ほんとのギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだマルティニなんてとてもかなわない」。

このローズ社のコーディアルライムジュースは高いですが、現在日本でも入手は可能です。これを半分も入れるとハードボイルドとは裏腹のかなり甘いカクテルになります。ジンはプリマスジンがレシピ指定されます。

このレシピをそのまま採用しているバーは日本にはほとんどありません。しかしホテルバーではコーディアルライムの量を1/4程度に減らして使ったり、フレッシュライムと併用するところが多いです。対して街場のバーはコーディアルライムを使わず、フレッシュライムと少量のシロップを使うところが圧倒的に多い。
ライムはお高いのでコストがかかりますが、味や香りはやはり生の方が良い。繊細な味覚にこだわる日本人にはこちらの方が合っているような気がします。コストの制約があり、外国人が沢山来るホテルバーと、どちらかと言うとスペックにこだわるドメスティックな街場のバーの違いはそれぞれの良さがあり、面白いですね。

当店のギムレットはフレッシュライムを使う後者の方です。ジンをプリマスに換えた時期もありましたが、どうしてもライムと馴染まないし、パンチが足りないので、今は微かな柑橘香のするタンカレーを採用しています。
小さめの氷を入れ強くシェイク。ギムレットとは(偶然ですが)キリの意味もあり、キリのような鋭いキレが求められる代表的な辛口カクテルでもあります。

細かな砕氷を浮かせたキンキンに冷えたギムレットをさくっと飲んでさくっとお帰りいただく。これが本当のハードボイルドだと私は思っていますが、さていかに・・・。

なお、当店にはプリマスジンも(ローズ社ではありませんが)コーディアルライムもございますので、「ほんとのギムレット」をお試しされたい方はハードボイルド風にお申しつけくださいませ、ベイビー(^_-)。

綺麗な色のカクテルですが、強い強いカクテルです。
レモンとグレナデンシロップをごく少量、基本的に1:1のジンとラムをシェイクして作る強烈なアルコール感のショートカクテルです。

たまにヤケ酒を飲まれる方が来店されます。もちろんお勧めはしませんが…。お酒は美味しく飲んで欲しいけれど、翌朝辛くなるだけを不合理とも思えません。...

バーはお客さまが心をリフレッシュされる場所。そのためにお客さまには、そのさまざまな思いをここに置いてお帰りいただきます。
翌日、我々は昨日の気配をきれいに拭い去るために店を磨き上げて、また新しいお客さまをお迎えする。
淡々とした日々の中で、お客さまと店は毎日生まれ変わります。

https://www.facebook.com/Intermezzo2006/photos/pb.204267393059662.-2207520000.1434601106./276894319130302/?type=3&theater
ジン・リッキー。ワシントンのレストラン「シューメーカー」で最初に飲んだ客の名前がカーネル・ジム・リッキーだったことからこの名前になりました。ベースを換えると〇〇リッキーとなりバリエーションはさまざまです。
ライムをグラスに搾り入れ、氷とジンを入れ、ソーダで満たし、マドラーを添えて提供します。
スタンダードカクテルの中でも、飲み手の名前が付いたのはジンリッキーだけ。供されたカクテルを今度はお客さまがマドラーでライムを潰して飲む。つまりジン・リッキーは飲み手に預けられたカクテルなのです。https://www.facebook.com/Intermezzo2006/photos/pb.204267393059662.-2207520000.1434599688./311624335657300/?type=3&theater
 
  
  



そろそろ夏休みの予定を立てる季節になってきました。
私は田舎が北海道ですのでお盆に帰るとなると海外旅行並みの出費を覚悟しなければなりません。

アラウンド・ザ・ワールドは世界一周の航路開設を記念して作られたカクテルです。アメリカ人が作りました。
レシピはジン+ペパーミントリキュール+パインジュース。ジンを多く配合するのが一般的ですが、やや辛いので、当店はジンを少なめにした「黄金比」で作っています。ショートカクテルらしい古典的な味で、長らくスタンダードの仲間入りをしているのも納得です。

カクテルにはグレープフルーツと並んでパインジュースがよ
く登場します。

パインジュースが市販されたのは1930年代だそうで、アメリカの禁酒法が解かれたのとほぼ時を同じくしています。そんなところにもカクテルにパインジュースが多用されたヒントがありそうです・・・・パインジュースをシェイクすると、空気を大量に抱き込み味が丸くまとまります。全体がパインで包まれる感じです。このマカロンのようなホイップ感は当時としては相当珍しかったのではないでしょうか。
新しいものにワクワクするのは人間の性なのでしょうね。
 
  ペロケとはフランス語でオウムのこと。レシピはパスティスの水割りにペパーミントリキュールを入れて作ります。
パスティスとはアブサンが中毒を起こし発売中止になった後に生まれた代替品のことを一般に指します。レシピも多少違いますが、強いアニス香があり、アブサン同様最初の好き嫌いは分かれます。アブサンを産んだフランス(特に南仏)では日常的に飲まれている庶民のお酒で、当店のお客さまにもこのお酒にどっぷりハマった方がいらっしゃいます。なるほどハマればハマるほど奥の深いものなのだと改めて納得しました。
ペロケの中に入っているミントリキュールは香薬草としては同源なので、パスティスに初めから含まれていてもおかしくないほどに相性は抜群です。
プロバンスではパスティスをオレンジジュースで割るのが一般的のようですが、それはそれとして慣れてからにされた方がよろしいかもしれません^^;。