こんにちは♪まるとですニコニコ




時々、思い通りに物事が進まない時に


思い出す人がいます。



伊藤病院の病室であった普通のおばちゃん


同じ病室で


同じ日に手術をした人です。



当時、私は24歳。


会社に休暇届を2週間分出し、


バセドウ病の手術をする予定で


伊藤病院に入院していました。



手術までは1週間くらい


検査をしたりしながら、


6人部屋の病室で寝起き。


そして、手術。


手術後は1週間くらい


病室で過ごし、退院


・・・というスケジュールだったと思います。



私の後から入院してきたその女性。


今の自分くらいの年齢だったと思います。


お名前は忘れました。



なんだか、ぽや~んとした感じの方で


「パジャマが後家さん」


と、言いました。



そのころ、その入院に備えて


パジャマを3着新しく購入した私。


「後家さん?」


と、聞くと


「そうそう。上と下が違うこと」


よく見ると、上着とズボンが違うパジャマでした。




「どうして、後家さんって言うんですか?」


と、聞くと


「ズボンだけ捨てたから」


「はあ」


・・・と、なんともおっとりした方。



そのころ、


「ミスはいけない」


と、妙に肩に力の入っていた私は


「変な人~」


と、思いました。



そして、手術の日。


私が先に手術。


まず、はじめに腕の上部に麻酔の注射。


それから、


手術台に上り、


準備が済んだら、


首にパチパチホチキスでもされるように


麻酔を打たれました。



その痛いこと!


そして、


麻酔をしているはずなのに


手術中、痛いこと、苦しいこと。


ず~~~っと、うううう・・・・


と、うなっていました。



もしかしたら、


あの頃、お酒ばかり飲んでいたから


あまり麻酔が効かなかったのかしら?



手術が終わって


病室に戻り、


一晩、付き添いの方に付き添われながら


結局、苦しく、痛くて一睡もできませんでした。



長く苦しい夜が明け・・・



翌朝のこと。



あの「おばちゃん」が看護師さんと話す声が


カーテンの向こうから聞こえてきました。


「お加減、どうですか?」


と、聞かれたおばちゃん。


「おかげさまで、ぐっすり寝られました」


えっ!?


寝られたの!?



その後、話す機会があったので


「手術、痛かったですね」


と、言ったら、


「麻酔かけられて、寝ちゃって、


起きたら、終わってた」


と、ケロリと言いました。


え!?寝てた!?



もちろん、部分麻酔です。



そして、極め付けが


誰もお見舞いに来てくれずに


ぼ~~~としていると


あの「おばちゃん」のところに


だんなさんとすでに大人になった息子さん二人が


来ていて話声が聞こえてきました。



「お母さん、大丈夫?


早く帰ってきて」


と、大人の息子さん。


「うん、わかったよ」


と、おばちゃん。



ああ、なんだかんだ言って


あの人、私より上手だ~。


かなわないや。


私より、ずっと、幸せそう。



自分が若いからといって


「おばちゃん」


である、


その女性をちょっと見下していたことを


反省しました。



今、自分があの女性と同じくらいの歳になり


気が付いたら、


何をやるのもスローペースになり


新しいことを理解するのも


時間がかかるようになりましたし


パソコンやスマホといった


最近の機械に関して


全く無知というか


音痴というか


若者をあきれさせることも


多々あります。



そして、


子どもを3人育てても


やっぱり未熟なことが多くて


ちょっと落ち込むこともあります。



そんな時、ふっとあの女性のことを思い出します。


あのおばちゃん、元気かな?


きっと、幸せにやっているんだろうな。


誰とも自分を比べたりしないで・・・。