この「Q」完成後に庵野秀明は鬱病に陥ったという事だが、
ゴジラへのオファーがあったのもこの頃で、その後の流れ
は先述した通りである。今年はエヴァが作られてから既に
二十年余りが過ぎた事になる。
そもそも庵野秀明は大阪芸大時代に自主映画を作り始め、
その中の一本「帰ってきたウルトラマン」のパロディ作が
注目を集める。精工に作られたミニチュアと特撮のクオリ
ティの高さは素人とは思えないほどの出来栄えだった。
しかし肝心のウルトラマンは庵野秀明自身が私服にカラー
タイマーを付けただけの姿で演じており、かなり意表を
突いた展開だった。庵野秀明の特撮愛ゆえの表現だった
のだろうが、同時に強い作家性を既に伺わせていた。
庵野秀明はエヴァ後に何本か実写映画を手掛けるが、特撮
ものは手掛けていなかった。敢えて避けていたのかもしれ
ないが、日本の特撮映画を盛り上げる為に「巨神兵~」を
手掛けた事で、結果的にゴジラのオファーに繋がった。
「帰ってきた~」から考えると約三十年の時が過ぎていたが、
日本の特撮映画の最高峰である「ゴジラ」を手掛ける事で
庵野秀明の特撮愛が結実したとも言えるだろう。燃え尽き
症候群にならないか心配であるが、まだエヴァの完結編も
残っているし、何とか踏ん張って作り上げて欲しいものだ。