今作は細かいストーリーの説明がないので、特にシリーズを
全く知らない人にとっては何のこっちゃという部分が多かった
かもしれない。今作は続編ではなく、1~3のエッセンスを散り
ばめて再構築した、新しい物語という位置づけになるのだろう。
今作で何度もマックスの前にフラッシュバックするのは恐らく
亡き娘だと思うが、1では妻と共に息子が暴走族に襲われ、妻は
重体、息子は即死している。2の冒頭では二つの墓標の前に立つ
マックスが描かれており、妻も亡くなった事が暗示されていた。
1の後で世界秩序が崩壊し、2では荒廃した世界が舞台となるが、
ここまで1と2の世界観が変えて、尚且つ成功した作品はあまり
ないだろう。この世界観は数々の亜流作品を生み出し、「北斗
の拳」も誕生した。今作はこの2に一番テイストが近いだろう。
3はハリウッド資本となったが、撮影直前にジョージ・ミラーの
朋友でプロデューサーのバイロン・ケネディが事故死してしまう。
意気消沈したミラーは共同監督を立てて何とか作品を制作するが、
それ故にテイストが変わってしまい、自分もあまり好きではない。
それから30年を経て、誰もが予想しなかった今作へと繋がるのだが、
圧倒的でイカレたパワーに満ち溢れた正にMADな作品の誕生となった。
ジョージ・ミラーはこれが新たな三部作となる構想があるようだが、
完成する頃には80近くになっているのではないだろうか。全身全霊を
懸けた、よりMADな作品が誕生する事を心待ちにしたい。