決戦!スサノオデビュー戦 | 日出国の五千年検証のSFノート

日出国の五千年検証のSFノート

手前味噌な説ですが、確定している日本の正史は2600年余り…ですが、記録が残っていないだけで日本の国家としての歴史は5000年だと考えています。
科学的、地学的、考古学的、宗教学的にSF加味して検証したいと思います。

第17回です。

スサノオの父達を救出に向かうのか、向かわないのかを日の巫女の判断を仰ぎ、二時間もしないうちに答えを出された。前回、西の民の要請には反対を表明した巫女の判断だったが、今回は救出に向かうと云う事を判断した。
そして、ミカとミナの救出チームへの参加可否は、明日の御射山の競技会で勝った者がチームを率いて西へ出発する事が決められた。今回の救出チームにも出雲の民が少数ながら同行する。その人員の人選も急ぎ行われる。
まだ、この時問題にされなかったのだが…救出チームの出雲の民の中に若い女が含まれていた。危険とされる所に行く集団に女を入れると云うことにおそらく、問題視することになる。だが、まだチームを率いるのは誰か?と云う事の方が問題として大きかったのである。

諏訪の民の中に何時にもない緊張とぎすぎすした空気が流れている。その中で当の本人のミカだけがいつも通りのようだった。スサノオも気持ちは揺れている。父の安否がわからない状況に明日には御射山のデビュー戦が控えている。父の事があったから、欠場したとしても誰からも何とも言われはしない。だが、父との誓いは御射山でしか叶える事は出来ないのだ。だから、先ずは御射山。だが、緊張しないと云う訳にはいかない。身体の至るところがガチガチであった。
「今からガチガチでどーすんだよ。」
後ろから両方の肩をグッと掴まれた。ミカだった。ミカの状況もスサノオは知っている…だが、このスサノオが目標としている人はいつも通りだ。なんだろう…この懐の大きくて深い、強くて優しいのは。
「お頭…。」
「勝てよ。」
「はい…。」
「俺もお前も勝ったら、一緒に行こう。反対するやつはいなくなるだろう。どうだ?」
御射山の競技会で勝ったら、救出チームに組んでもらえるかも知れない。いや、お前を入れる。と宣言された。
スサノオは静かに頷いた。

スサノオの相撲は前座といえる中の1試合である。
だが、御射山で競技会を見守る人々のほとんどが彼の事を知っている。デビュー戦で、まだ15で、ミカの弟子で、ハヤの息子だと云う事を…。
そして、スサノオの出番の試合となった。
闘技場に上がろうとした時、スサノオにミカが声をかけた。
「スサ、巫女の館の方を見てみ、お前の試合、巫女様がみてるぞ。いいところを見せたれ。」
スサノオは右上のかなり遠くにしか見えない館の所に巫女様が…居るんか?
「んー、見えんか。遠すぎて(笑)」
スサノオはミカの顔を振り返って見ると、ミカがガッツポーズをしている。
一気に緊張が解けた。
「行ってきます!」
くるっと踵を返すと闘技場中央へ走って行く。
闘技場中央相対するとで左手で握手をする。握手をした瞬間が開戦の合図となる。
スサノオは対戦相手の目の前に着くと左手を出すかどうするか中途半端な所で迷っていた所を向こうから掴まれた。デビュー戦の経験の無さが招いてしまったと…見ている人々は一瞬にして感じた。
会場のほとんどの人々が、ああ…と…
だが…、
闘技場に転がっているのは、スサノオではない。
対戦相手が、知らないうちに転がっている。
審判をしている長老の一人が手を上げた。勝負は決した。スサノオのデビュー戦瞬殺の勝利が決まった。
スサノオは、自分自身何をしたのか分かっていなかったが、左手を不意に掴まれた事でびっくりして手を引いたら、相手が転がっていた。ただ、それだけの事だが強烈な御射山でのデビューを果たしたのは間違いない。

そして…ミカとミナの勝負の順番となった。
二人共に得意分野が全く違うため三番勝負となっていた。勝負種目は弓技、相撲、狩猟。ミカ不利とみられる勝負である。弓技はどうみてもミナに負ける要素がなく、相撲は絶対ミカの勝ちと言える。問題は狩猟であった。狩猟に使う道具は自由。動きを止めれば勝ち…。対戦相手の行動を邪魔しなければ、反則とはならない。だが、これもミナ有利。
不利と囁かれている中、ミカは勝算があるのか、不安な感じは一切無かった。
第1試合、弓技。通常は長老の歩測で30歩ほど離れた所から決められた的に矢を数多く当てれば勝ちとなる。
「なぁ、遠くねぇか?」
30歩ほど離れた…いやもっと離れているように思える的。そして、的も小さい…気がする。

兄弟の三番勝負が開始された。

(つづく)

次回、作戦勝ち…勝者は兄か弟か?