観戦記 エミリアーノ・マルシーリvsアリスティデス・ペレス | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:マルシーリ判定勝利

 


 
昨年8月、元王者ガマリエル・ディアスに勝利しワールドクラスの実力を証明した無敗の40歳。戦績34戦33勝14KO1分のイタリアン・サウスポー、エミリアーノ・マルシーリ登場のWBAインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦。対戦相手はビリー・ディブ、ジョニー・ゴンサレス、エドゥアルド・エスコベド、ウンベルト・ソトらとの対戦歴のあるエドゥアルド・エスコベド


フワフワとした小刻みな跳ね足のサークリングから左ストレートを顔面、ボディに打ち分ける定番のサウスポースタイル。ワンツー、単発の左ストレートにのみアクセントを置くボクシングで攻防分離傾向にあるが攻勢時はしっかりと踏み込み、守勢時は相手に付き合わず移動に徹している。

左ボディストを打ち込み右の叩き打ちでサイドへ回る、右手尺骨付け根辺りを狙い守らせて組み付く、テンポを上げたショートのワンツーから右を返して抱え込みとクロス主体のサウスポーが見せる攻→防パターンは一通り身に付いていてなかなか多彩だ。
スピードとフットワークに欠ける相手の緩慢な攻撃に助けられた感も否めないがイタリア国内でのキャリアのみで構成したとは思えないほどスタイルは洗練されている。