観戦記 セルゲイ・リピニェッツvsレオナルド・ザッパビネガ | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:リピニェッツ8回TKO勝利

 

 

前戦でウォルター・カスティーリョを撃破、IBF3位に着けるカザフスタン生まれのセルゲイ・リピニエッツと豪州の暴れ牛レオナルド・ザッパビネガが争うIBFスーパーライト級挑戦者決定戦。

 

前評判の高いリピネッツだがこの試合で見せたボクシングは余りにもお粗末。奥足に重心を置いた中途半端な待機スタイルで右のプルカウンター、巻き込む左フック一辺倒。

スピードも、パワーも、テクニックも水準以上、左右パンチが強烈なオールラウンダー、ザッパビネガの鋭いアタックに押され敗色濃厚だった。ボディジャブ、ボディストで動き出しをチェックされ釘付け、右カウンターは左フックでロールされインサイドスリップは上から下から叩かれ、といいトコなし。

 

しかし5回、振りが大きくなった乱戦の中でタイトスタンスを保ち左フックで起死回生の1stダウンを奪取。ウェイトの乗った右スウィング連発でダメージを与えペースと距離を奪い返し8回、電化の宝刀右ストレートを決めてのTKO勝利。

スピードはある。パンチもある。見切りも良い。しかしそのボクシングスタイルはお世辞にも機能的とは言えない。