観戦記 デニス・レベデフvsムラト・ガシエフ | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:ガシエフ判定勝利

 

*この技術、このパワー、この毛量。全身脱毛にいくら掛かるだろう?

 

前戦でジョーダン・シメルを初回KOに葬った"クルーザー級のケル・ブルック"こと懐深いムラット・ガシエフが王者デニス・レベデフを圧倒し見事な王座戴冠。

 

スッと力の抜けたアップライトスタンスから事も無げに歩み寄りシャープなパンチを打ち込んだガシエフ。レベデフの重心移動に応じて動き出しをチェック、奥足に乗り切ったオフバランスを狙い撃ちと、まるでモグラ叩き。

単純なパンチの刺し合いの強さに加え転身の瞬間を狙い撃つ左ボディ、ガードを落として右フックとサークルを誘導、リードする足を選ばずにリングをカットするポジション取りを見せ後傾すぎて身動きの取れないレベデフ突き回しての判定勝利。

 

こういう選手を見ると「腰が高い」「棒立ち気味」なんて声も聞こえてきそうだがこれまで何度も記事に書いてきた通り実際にスタンス狭く、高く構えられるならそのほうがベター。安定度は支持基底面の広さで決まるが底が狭まれば、当然時間と可動域に余裕ができるから。

あくまで攻防が成立するなら、だが。

 

p.s.

ウシク、ブリエディス、ガシエフ、恐らくこの辺りが階級最強を争う存在だが予想付かんね。総当りだとこの選手が一番勝ち点取りそうだ。