観戦記 ドミトリー・クドリャショフvsサンタンデール・シルガド | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:クドリャショフ初回KO勝利

 

*左フックでぶっ飛ぶシルガド

 

地獄からの使者ドミトリー・クドリャショフ登場のWBCシルバー・クルーザー級戦。対戦相手はWBA12位、WBC14位、同タイトル戦でラキーム・チャキエフ相手に判定まで粘った実績を誇るサンタンデール・シルガド

 

*左フックで失神するシルガド

 

初回半ば左フックを一閃し1stダウンを奪取、立ち上がった相手に再び同じパンチを見舞い圧勝したクドリャショフ、短い試合ながらもその中でもボディジャブへ着目する。

 

ハイガードの構えから隙なく無理なくそのまま出る。当たれば相手の体勢を崩しヒットの反動で素早く復元、交わされても前掛かりな分次発の優位も保たれる。

”いい試合運び”をしている時に多用するパンチで、だからこそ即決スタイルでもしっかりとKOしてしまえる最大の要因。単純にこのパンチ単体にも無視できない威力があり、無視しなかった結果、この試合を決めたダブルで打つ顔面への左フック、続く右等がフォローされる。
キャリアを通じ試合らしい試合、ボクシングを見せた事がないが、力の拮抗した相手との試合においてこのパンチが展開と勝敗を左右していくはず。

初めから強い。強すぎる。それだけに段階を追って強度を上げ、経験を積ませる事が、マッチメイクが本当に難しいと思う。

 

p.s.

ジャブもボディジャブも、打法は大して違わない。ボディジャブが打てないって事は、実際はジャブも打ててないって事なんだ。前者は打てなくともヒットできるが後者は難しい。