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28日、バンコクで行われたWBOオリエンタル・ミニマム級王座決定戦。ミニマム級で主要四団体のランキングを持つピグミー・ゴーキャットジムが戦績9勝5KO3敗の無名の若手選手に敗れる波乱があった。(WBO1位、IBF5位、WBC7位、WBA9位)
大番狂わせを起こしたのはジェイセバー・アブセデ。戦績12戦9勝5KO3敗、20歳のフィリピーノ。
2013年9月のプロデビュー戦で判定負けし6戦目までで3勝3敗、現在6連勝中という事だから最初から期待されて出てきた選手でなく戦いながら技術を付けてきた叩き上げタイプなのだろう。
初回からプレスを掛けるピグミーに対しリングを旋回しながらシャープなジャブを出す。ヒッティングを狙う意図はなく、あくまで距離を作るもの、ダメージを与える質のパワージャブではないが力が抜け戻りが早い。
L字に構え最小限の動きと手数でカウンターを狙おうとするピグミーに対しダブルのジャブ。ステップバックで真っ直ぐ下がり処理したピグミーに対しアウトサイドに踏み込んで左ストレート。を3連打、トリプルで続ける。
面喰い大きくバランスを崩したピグミー。両ガードを上げプレスを強める。初回の攻防でアブセデの実力を認めた格好だ。
パツパツと打ち込むジャブに加えてステップバックからの左カウンター、引っ掛けてサイドへ回る右フックでピグミーを簡単に近寄らせない。単発のパンチを打ち込むタイミングも素晴らしい。ピグミーの初動、ステップに対して反応し中間距離では左ストレート、近めの距離では左アッパーと出鼻を見事に潰している。
基本は距離と角度、パンチで守るタイプなのだろうがしっかりと前腕を立てた左ガード、相手の右ストレートに対し絞る動きとディフェンスも要所を押さえている。
11回、被弾覚悟でプレッシャーを強めた相手にしっかりと強打で対抗し左を捨てての右フックカウンター。
名のある相手を前に信じられない程見事なパフォーマンスを披露したがこれは筋金が入ったものか、good conditionによる幻影か。キャリア、戦績を考えるに後者の線も疑うべきだな。
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