陸亀 | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

陸亀

宇宙が生まれたのは138億年前という途方もない話を聞いても何も感じない私ですが、宇宙レベルで考えると人類の生息期間はほんの一瞬にすぎぬと聞くとわずかに感じるものがあります。
なんて、つまらん毎日を過ごしているのやらと……(自己啓発くさいけど、本音です)
なんと、どうでもいいことで頭を痛めているのやらと……。


そんな気分で考えると、スピード経営ってなんだろうと思います。
もちろん、決して簡単に否定できることじゃないです。スピードはすごく重要な要素だと思っています。
それでも、自ら制限時間を短くしていく意味って何なんだろうと考えるわけです。


多くの場合、そういうルールだからと従っているんじゃないでしょうか?
会社も、学校も、役所も、全部1年周期で運営されていて、納税したり、卒業したり、予算を使い切ったりする。
その周期を短くする発想は許されても、長くする発想はルール上許されません。


何が言いたいのって?
つまり、僕は高校でじっくり勉強したいので5年間通学しますっ! ってのは無理ですよね? 留年なら出来るだろうけど、3年でやるカリキュラムをハナから5年かけてやるってのは無理ですよ。
あるいは、僕の会社はゆっくり育てたいんで、決算は10年に1回にしますっ! みたいな話は通用しないわけ。やっぱり、我々は一定のルールに押し込められてるんです。知らず知らずにね。


でも、決算するのが10年に1回だったら、経営の発想はガラッと変わるんです。
てのは、その会社にとっては1年が1カ月に相当するわけで、5期計画が50年になっちゃう。
そうなれば、相当どっしり腰を据えてやれますよ。そもそも周りに影響されなくなるでしょ。


これは私の考えですが、画一性からチャレンジは起こりにくい。
多様性がチャレンジを育むはずなんです。
となれば、企業(事業・ビジネス…)発展のプロセスにも、もっと多様性を持ち込むべきなんです。
(まあ、今でも十分多様だけど……それを言ったらお終いですから)


で、企業の会計年度のあり方を1年に縛らない制度ってどうですか?
「僕の会社は1期目で100億売り上げました!」
「うぉっ! すごいねぇ! で御社の年度って何年?」
「実は20年っす! てへっ」
みたいな……
納税も当然20年に1回です。
(それじゃ法人税成り立たないじゃんとか、身も蓋もないことは結構です)


経営の世界によく持ち込まれるメタファーとしてダーウィンの進化論がありますね。
これがダーウィンの進化論(種の起源)の中で語られているかどうか知りませんが、「進化を拒否した陸ガメ」の話を聞いたことがあるんです。
(私、経営のヒントになればと何度か「種の起源」を手に取りましたが、最後まで読めたためしがありません)


あらゆる種が何らかの変異によって生きながらえたのに対して、陸ガメだけはあらゆる進化を拒み続けることで生きながらえたと。
つまり、変異だけが種を維持する術ではないんです。
進化を拒否することも、また一つの手段。
企業にもそれが当てはまる気がします。
スピードが万能であるかに見える時代だからこそ、逆転して物を考えてみるってのも「あり」じゃないっすか。
(それってスローライフ? って水を差さないでください)