販売戦略
販売戦略である。
いつか、この時が来るとは思っていたが、販売を戦略せねばならないのである。
様々な方面から、「本は売れないよぉ~」と脅し続けられて約半年。
「ましてや無名の新人の……しかも小説でしょ」などと批判めいた反響は数知れず。
そうは言ってもやっちまったものは取り返しがつかないわけで、何とか読んでもらわんと、いや買ってもらわないといかんのです。奥さまはCEO!
『こりゃ、選挙と同じだな』などと一人ゴチっています。
(選挙などやったこともないというのに……)
要は足元から票読みしかないだろうと。
おいおい、そんなんで何冊まで読めんだよ……ってか、何なら配った方が早いんじゃね? みたいな意見もあることにはあります。
しかし、配られた小説ってどんな意味があるんだよ……一応、これでも作品じゃないか、その商業価値を無視してただ配れってのかよ、Yくん。
自費出版ですか? ってどんだけなんだよ。
自費じゃないよ。他費だよ。
まったく、どいつもこいつも。
いいアイデアがあるよとはT氏だ。
「昔の部下全員に強制すりゃいいだよ。でもって、買ったレシートと現物を写真で撮ってFacebookに上げさせるってのはどう?」
なるほど鬼だ……しかし、そんな強制力行使できるのか?
「いや、だからさ、レシートと現物の写真をアップしてない奴はどんどん友達から削除すんだよ」
って、非現実的だっつうの。だいたいFacebookの友達1278人しかいないのに……