時代の風雨に負けない…の続き
あくまで自己体験に基づく見解だけれども、会社経営で10年以上の先行きを常に考えているということは稀であろう。
経営者の中には中期的計画などには意味が無いと言い切る人もいる。
そして、それは実際的な考え方だとも思われる。
成長志向の会社であればあるほど、長期視点で経営を考えることは困難になる。
というのは、そもそも成長志向というのは、他者よりも短時間で規模を拡大するということに他ならないからだ。
スピード経営というけれども、これは「短時間に規模を拡大することこそ価値である」ということを手短に表現したものだ。
私も、経営にあたってはまさにスピード経営を志向してきた。
しかし、世の中がこれほどに変化している状況を眺めていると「短時間に規模を拡大することこそ価値である」という考え方は単に流行に過ぎないのではないかと思うことがある。
そして、本当に価値が高い経営というのは、実は、「どれだけの時を経たとしても継続し続けることができる」ことだと思えてくる。
つまり、短時間に規模拡大することよりも、長期間存続し続けるほうが難易度が高いのではないかということだ。
従来、企業の寿命は30年などと言われてきた。
それが今は20年という説もあるそうだ。
実際、日本の名だたる会社の中で100年以上存続している会社がどれほどあるだろうか。
トヨタにせよ、ソニーにせよ100年という単位で過ごした実績を持っていない。
ましてや、現在ベンチャーといわれるような会社のうち100年間生き残る存在がどれほど生まれるのか…
それほど時代変化の荒波というものがものすごいということであると同時に、企業経営が短期的成長に傾倒しすぎているということもあるはずだ。
さて、私の提案だが、経営における”軸”を「100年単位での存続」に据えたらどうだろうか。
私のつたない経験からの推測だが、これをやると経営は大幅に変わってくるはずだ。
たとえば、100年単位での経営ならば、なにも成長を急ぐ必要はなくなるだろう。
1ヶ月、四半期などという短期的な業績把握は短期的にモノを考えている表れであって、そんなことに従う理由はない。
全ての管理単位を通常の10倍の10年で考える。
通常の会社が四半期で考えるところを2.5年で考える。それが最短のモノサシだ。
同時に、10年単位だからこそ、短期的な赤字は禁物になる。
短期で取り返すという発想がなく、とにかく100年以上存続することが最大の目標だから赤字などありえなくなる。
ということは、冒険はとにかくしない。
存続を軸に据えるから、世の中で忌み嫌われる世襲を大事にする。
代々受け継ぐことこそ最大命題だから、「なんとしても自分の代で潰してはならない」というコミットメントになる。
どうも世の中を眺めていると、今のこの時代だけが極端に特殊なのではないかと思えてきて、全く逆に張るということを考えたくなるという次第。