極端な悲観論 | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

極端な悲観論

これほどに「先行きが見えない」という言葉を聞くことも珍しい。
楽観的な見解など示そうものなら、「非常識!」と叱られそうな状況です。






さて、こうした状況下で、私が思い出すのはレスター・サローさんの『知識資本主義』という本です。
サロー先生によれば資本主義を作り出してきた3つの要素とは、「貪欲さ」「楽観」「群集心理」だそうです。
手短に言うと、人々の限りない貪欲さが次から次へと新たな投資を生み出す活力の源泉になっている。
そして、その金儲けへの貪欲さは、物事を自分にとって都合よく解釈する先行きへの楽観によって更に加速していく。
そうした楽観的で貪欲な経済活動は「まだまだやれる」「皆もやっているから私も」という群集心理によって補強されているというわけです。





貪欲で楽観的で群集的に行動することで、バブルが発生し、そして必ずそのバブルははじけるということをサロー先生は説いています。
おそらく、サロー先生以外にも、バブル発生のプロセスを解明し、その崩壊までを予測してきた先生はたくさんいるはずですが、我々はそうした警告に耳を貸さないものです。





一昨年だったと記憶していますが、金持ち父さんのロバート・キヨサキさんが「今、起きている事態はバブル」「(一部の不動産価格など)明らかにおかしいことが起きている」と警告を発していたことも思い出します。
「パーティに参加せず家で引きこもっていることは間違っている」「しかし、パーティがおかしな方向に向かっていることに気付くことは重要」「そして、そういう時は、パーティ会場の真ん中にはいないで、いつでも逃げられるように出口に一番近いところで静かに参加しているのが正しい」というようなことを書いていたことがとても印象に残っています。




さて、後知恵なら、何とでもいえます。
今はとにかく静かに引きこもることが正しいのか、それとも、積極的に行動すべきなのか…
サロー先生が曰く、一度バブルが崩壊すると、とたんに極端な悲観論に走るのが資本主義の特性だそうです。