驚くべき非効率 | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

驚くべき非効率


以前、イタリアでワインを大量買いしようとして、カードを出したら、「そのカード会社の手数料は高いから、うちじゃ使えないんだ」といわれ、
おそらく世界で一番加盟店が多いと思われるクレジットカードを出すと、長いことカード会社の与信担当者と電話で話した挙句、「与信がおりない」と言われ…




「与信がおりない」ことに、遠い異国で文句言っても仕方ないわけですが、それにしても店に決済端末がないとは!
いまどき、信じがたいが、さすがはイタリアと思ったものです。




別にクレジットカードの決済端末がないくらいで、どうということもないわけですが…ワインもほとんど全部常温で置きっ放し。
そのエノテカがその都市でも有数の店というのにも驚いた次第です。
まぁ、考えれば単なる酒屋だからなぁ…もし、日本にコンビニ旋風が吹き荒れず、昔の酒屋が今に残っていたならば、日本の酒屋も同じような近代化レベルだったかもしれません。




で、話を戻して、そのエノテカで、カードが使えないということに引き下がれず、持っていたユーロ全部だけでも不足。
それで、手持ちのドルをユーロに両替して払おうと考えたわけです。




エノテカのはす向かいに小さな銀行があって、「そこで両替してきたら」と言われて、入った銀行が想像している姿と随分と違いました。
入るとすぐ右側に単なる机が置いてあって、そこに一人女性クラークがいる。
左側にカウンターがあって、中にオジサンが一人。
えらく規模が小さいというのと、なんとも無用心で強盗が入ったらひとたまりもないような銀行でした。




小さいだけならいいのですが、この銀行の作業が極端にのろい。
外貨両替というそんなに難しくない作業をオジサンはあっちに行ったりこっちに行ったり…
電話で問い合わせたり、クラークの女性に何やら聞いたりしながら、なんともおぼつかない様子で作業し、極め付けは計算結果に自信がないらしく、何度も計算機を叩いているような始末。




外貨両替だけで30分くらいかかり、カード決済端末がないエノテカに驚いているようでは、イタリアでは生きていけないことを思い知ったのでした。




そんなイタリアの銀行の非効率にも驚きましたが、日本の銀行の形式主義というか、柔軟性のなさというか、イタリアとは全く別次元の非効率にも驚かされます。
ある定期的な送金手続きをするために、面倒な窓口作業を避けて、メール手続きをしたのですが、銀行名を「東京三菱UFJ」と書いてしまったわけです。




すると、銀行名を修正せよという返信が帰ってきました。
確かに、正確には「三菱東京UFJ」なわけですが、誰が見ても「三菱東京UFJ」を誤って「東京三菱UFJ」としたことはわかるはず…
もちろん、不正確に記入した私に問題があります。
でも、このやり取りに郵送料だけで片道300円(配達記録になっている)かける価値があるんでしょうか?




「東京三菱UFJ」でも「三菱UFJ」でも、「三菱東京UFJ」だと認識するルールにしてもらえませんでしょうか…
イタリアの非効率には、人をあきらめさせる”いじらしさ”があります。
一方、日本の非効率からは、形式ばかりを重んじる官僚臭が漂ってきます。