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ベンチャー企業のジレンマ

会社が立派になると新しいことに取り組むことが苦手になるようです。
なぜか。それはSOX法を代表とするような会社内秩序の構築を迫られて、世間が理解できないものや説明できないものが排除されるようになるからです。




ベンチャー企業としてがんばるという行為は、実に矛盾に満ちています。
なぜか。そもそも反骨精神を持ち、既存の勢力を打破していこうというモチベーションが原動力であるにもかかわらず、がんばり続けた結果、そのベンチャー企業はいつの間にか既存勢力側に回ってしまう。




既存勢力側とみなされるようになったベンチャー企業は、一種の違和感を抱えながらも、社会からの要請に応えるべく、”立派な会社”として認められるような常識的な社内整備を実行していきます。
(これをしないと、社会ルールから逸脱した増長し続ける勢力ということになって、最終的には社会から弾き飛ばされてしまう。)
そんなことで、ベンチャー企業は一生懸命に社内を整備していきます。




その結果、会社はいつの間にか怪しいもの、当てにならないもの、とにかく変なものたちを嫌っていくようになります。
ところが、その会社は、本来、ベンチャー企業として既存勢力がやらない”変なこと”をやったことによって成長したはず。
しかし、いつまでも”変なこと”をやる企業と見られるわけにいかず、それを否定せざるを得ない。
すると、ベンチャー企業らしさが損なわれ、自分たちが忌み嫌っていた”ちゃんとした会社”にどんどんと向かっていく。
このジレンマは辛いものがあります。



泣いている



世の中で画期的と言われるものや、既存勢力を打ち負かすようなものというのは、大抵生い立ちにおいて、胡散臭いものです。
そうした胡散臭さの許容がなければ新しいものは生まれないともいえます。





世の中に恥ずかしくないだけの企業としての構造を維持しつつ、胡散臭いことも許容できる企業というのは、すごいですね。