プラットフォーム・カンパニーとか… | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

プラットフォーム・カンパニーとか…

早いもので、もう10年ほど前になるでしょうか…
ニューエコノミーという言葉が、とてつもなく輝かしい未来を感じさせつつ、登場しました。



これまでにない構造変化によって逓減しない収益モデルが生まれるとか、これまでの常識が根本から覆るというような話がありました。
確かに、それに近い現象は起きましたが、当時期待された”革命的な変化”までには至らず、結果としてこれまでの経験通り「あれはバブルだった」という結論に至りました。
(少なくとも株式市場で起きたことは、バブルの発生と崩壊でした。)



今また、新しい説がささやかれ始めたらしく、例のように「これまで人類が歴史的に学んできたことが覆る」といった類のものです。

背景としては、昨今の新興諸国の経済的な発展は以前のように脆弱ではなく、非常に安定的な成長が期待できるという点です。
世界経済の中で、新興諸国(中国とかインドとかブラジルとかロシアとか東欧とか…、考えるとえらくたくさんある…)が与える影響は日増しに高まっているわけで、それらの国々の不安定が世界全体の経済にマイナス影響を与える。
ところが、それらの経済が非常に順調に伸びているという指摘です。



クローバー


たとえば、中国はインフラへの投資を怠ることなく継続しており、また、教育投資をますます強化することで優良な人的リソースの確保を維持していると。
で、その生産力の拡大と生産性の向上はまだまだ続くのだというわけです。
そんでもって、世界レベルの景気減速は起きないんだと。




一方、米国のような先進国は見事にサービス化に成功していると。
たとえば、米国の製造業従事者の数(人口)は1958年の水準まで低下してきていて、全就業人口に占める割合は実に少ない。
それだけ付加価値を作り出すサービス領域の企業が強くなっていて、そうしたモデルが確立しつつあるというわけです。
(そういうビジネスモデルを確立している会社を”プラットフォーム・カンパニー”と呼ぶそうです。)
そんなことで、先進国企業は需給の調整を上手にアウトソーシングしながら回避して、業績の浮き沈みを緩和している。
従って、急激な業績の変化が起こりにくいという話です。




世界の工場たる新興国の継続的な成長の実現と先進国の付加価値領域での成功によって、世界経済はこれまでにない次元に突入していて、グングン成長を続けるのだというわけです。
もし、これを信じるなら株式は断然「買い」ですね。
そんなの嘘だし、必ずどこかで調整が入るはずだと思うなら「売り」ですね。




いずれにせよ、いつの世も似たような話をしているものだと思います。



蝶々