キーワード経営その2
メッシュ戦略
キーワード経営で調子がつくかと思ったら、そうでもありませんでした…
が、思い出すのは「メッシュ戦略」。
恥かしい~。
2000年頃でしょうか。
当時、様々な事情で勢いづくインテリジェンスが次々事業会社を立ち上げていく際に出した方針です。
当時、現在よりも遥かに未成熟だった人材紹介市場では、自社のケイパビリティーを上げていくことが率直に事業拡大につながりました。
(この事情は現在も変化していませんが、ケイパビリティーの拡張方法は大きく変わってきました。)
自社のケイパビリティーを向上する方法として、当時展開したのが、メッシュ戦略でした。
市場を一つの網からすくい上げていくのではなく、複数の網ですくうことで、収穫高を上げていこうと言う考えでした。
市場をすくう網の目を複数同時に展開する(メッシュする)ということでメッシュ戦略と呼んでいました。
これは、経営の教科書に書いてあることからすると非常識です。
というのは、全く同じ性格の事業を同じ対象に対して展開していくわけで、普通はカニバリズム(食い合い)を起こすことや重複による不効率を考えて、実行すべきではありません。
ところが、当時の人材紹介の世界は、とても未成熟で、競争相手も小規模事業者がほとんど。
人材紹介という、これまであまり普及していないモノを広めるためには、複数の事業者が健全かつ熾烈に競争する必要があるわけですが、そういう環境とはいえませんでした。
そうした中で、ある意味で(不遜ではありますが)、自分たち自身で競争相手を作ってしまえばいいという発想が生まれました。
逆に言えば、強い競争相手が育つ前に、自分たちが作った同業者(表面的には同根には見えない)が勢いよく育てばよいという発想でした。
このメッシュ戦略は、仮説通りに動きました。
取り分け人材紹介をご利用になる個人の皆さんには、複数のブランド(事業者)を立てることによって、選択肢を提示することに成功しました。
各ブランドごとにご利用者の重複がほとんど発生しなかった。
つまり、市場をメッシュすることで、全体の収穫高を上げることができました。
では、なぜ、メッシュ戦略を転換したのか?
一言で言えば、規模の経済性による競争段階に突入していったからであり、ゲリラ的なメッシュ戦略での限界が見えたからでした。
競争の質が、あるいは、成長するための方法論が、ものすごく変化していったということです。
※今週からスキンがクリスマスバージョンになるみたいです!