明るい悲観論
当社の某監査役とビジネスの問題ではなく激論を交わしました。
某監査役曰く「少子化は大問題だ」と。
確かに問題だとは思います。国を上げて取り組んでいるような状況ですので、そりゃそうなんでしょう。
が、少子化を止める方法などあるのでしょうか?
人々に子供を作ることを強制することはできません。
某監査役曰く「今の時代は先が見えない。将来に対して安心できないから子供を作らないのだ」と。
確かにそうかもしれません。が、いつ先行きが鮮明だった時代があったのか…という疑問はあります。
また、先行きが不鮮明だから子供を作らないという理屈は果たして正しいのかとも思います。
というのも、日本よりもよほど先行きの定まらない地域でたくさんの子供が生まれている事実もある。
やはり成熟した世の中だから、私たちには色々な選択肢があって、「選ぶ」ことができます。
子供を作るかどうかもそうした選択の一部になっているんだろうと認識します。
過去においては、結婚して家族を持つということが必然だった。
でも、今の時代は「選択」する要素になっている。
また、別の角度で言えば、少子化の一体何が問題なのかということ。
私も以前は、漠然と問題だと思っていました。
しかし、問題なのは人口減少で国に活力がなくなるとか、GDPが下がるとか、経済が悪くなるとか…いずれも個人生活の問題というよりもマクロの問題のほうが大きい。
人は経済のために生きているわけじゃないわけで、個人にとってGDPが下がろうが経済力第2位から転落しようが実は関係ないはずです。
悲観するわけではなくて、やがて日本は世界第2位の経済大国というポジションから転落するわけで、だからといって、私たち一人ひとりがひどい目に遭うわけではありません。
年金の問題にせよ、ここから多少出生率が上がったからといって解決するような問題ではないわけで、なんにせよ抜本的に仕組みを変えない限りどうにもなりません。
とするなら、少子化を問題にすることそのものが、「何かを誤魔化している」ともいえる気がします。