時代の躍動感
誰から聞いた話か忘れたんですが、日本人の平均年齢は40歳だそうですね。
私は今40歳で(来月41歳ですが)、年齢分布で見ると日本の真ん中に位置しているということになります。
別の言い方をすれば、私は人生の”折り返し点”にいるわけで、そう考えると複雑であります。
過去と未来のちょうど中間の現在にいる私としまして、過去40年がどんな具合であったのかを見るとちょうど前後半20年で社会の様子がだいぶ違う気がするのです。
前半20年というのは1965年~1985年くらいで、まだまだ日本は上り坂だった。
物質的に豊かになっていく実感がありました。だから、先行きに対しても社会レベルで大きな不安はなかった気がします。
”おおらか”だったんじゃないでしょうか。
前半20年の上り坂の実感は、とにかくわかりやすい変化でみなぎっていた。
私が小学校の頃、アイスは30円でチューチューを買うか、50円で箱型のバニラ系アイスかみぞれ系アイスという選択肢でした。
それが見る見るうちに値段が上がっていく。徐々に品揃えも良くなる。
中学高校の時分には、アイスはだいたい100円するものになっていた。わかりやすく時を経るにつれて、インフレしていたんですね。
1965年の大卒初任給は23,000円だったそうです。それが1975年には83,600円になり、1985年には140,000円になった(14万円??ちょっと統計おかしくないか…とは思いつつも調べたら、そうなってました)。
つまり、20年で6倍になった。
私の人生の前半20年は、アイスクリームの値段が2倍になって、初任給は6倍になった。
ところが、後半20年を見ると、100円のアイスクリームは質が向上して値段は同じ。勿論、ハーゲンダッツみたいな高級ラインは生まれましたけど、100円出せば、十分な質のアイスクリームが買える。
初任給は1985年→2005年の20年間で140,000円→198,300円で統計上で見て、1.4倍にしかなっていない。
実感値で言うと、私が社会人デビューした1988年にもらった初任給と、今年のインテリジェンスの初任給はそんなに変わらない(!)
それだけ聞いた人は、インテリジェンス=ケチとか思うかもしれないけど、世間相場から逸脱なんかしていないし、どちらかというと高いほうです。
何が言いたいかというと、私のこれまでの人生の後半20年は、生活していく上での変化率が非常に小さかったということ。勿論、その前の20年と比較してです。
前半20年間の躍動感と後半20年間の落ち着きぶりというのは、極めて大きな隔たりがあります。
この20年間というもの、日本という国はとてもおとなしい(変化率の小さい)状態であった。
そりゃ、元気もなくなりますよね・・・殺伐ともしますよね・・・
だって、先行きに変化が無いんだもん。希望が感じられない閉塞感があるのも無理ないのですよ。
すいません。悲観論で終わるつもりじゃなかったのですが、徒然なる思いでした…