【サラリーマン道】日本サラリーマンの行動様式とは… | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

【サラリーマン道】日本サラリーマンの行動様式とは…


そもそも、私は、出来る限りサラリーマン的な生き方を避けたいと考えてきたように思います。
フロク読者の皆さんにおいても、そのように考えてきた(あるいは、考えている)方が多いように思います。



ところが、最近、ビジネスシーンにおいて、いわゆる「日本サラリーマン」といわれるビジネスパースンに典型的な行動様式・思考様式はかなり見直されるべき点が多いのではないかと考え始めています。
実際、私自身、(大したビジネス経験ではありませんが、)あれやこれやと考え動く中で、いわゆるサラリーマンの行動様式・思考様式をトレースしている。



また、実際、私が会社の中で、主張し推奨する行動や思考は、恐らく従来日本サラリーマンが教え込まれた行動と思考に近似しているのではないかと考えるわけです。




これまで否定し続けてきたサラリーマンというのは、一体、私たちにとってどんな意味を持つのだろうかなどという、一銭にもならないようなことを思うに至りました。




今年の7月下旬でした。

名古屋への出張から東京に向かう最終に近い新幹線で、まさしく”サラリーマン”二人組と同列の席に座りました。
50代の上級職サラリーマン。大手企業内で幹部クラスの仕事をなさっているということを察することができます。




聞くともなく聞く二人の会話。
A「最近、思うところがあるんだぁ」
B「なるほどぉ~」


会話のドアタマから衝撃を受けました。
会話の導入部、中身が何だか全くわからない段階で「なるほどぉ~」といきなり同意の相槌を発するサラリーマン。
これは、サラリーマン道を極めた行動と見たわけです。

「お前の言うことを俺はいつだって同意するしサポートしていく準備があるんだ」「俺はお前の仲間であり続けるぜ、兄弟」みたいな意味を「なるほどぉ~」の一言に凝縮。
まだ全く詳細に及んでいない早期のタイミングで発言に対する全面的な支援を宣言します。
(イラクに本当に核施設があるかどうかなんて全くわからない段階で、早期にアメリカ支持を宣言した小泉さんにもサラリーマン道が適用できる。)
素晴らしい行動様式。




サラリーマンは仲間を大切にします。
互いの絶対的信頼関係によって成り立っているのが組織であり、その信頼関係を維持することに完全にコミットするのがサラリーマン道と考えます。




会話は続きます。
A「いやぁ、最近の○○部の力っていうのは社内でものすごく小さいって事に気づいてね…」
B「なるほどぉ~」
A「それで××(A氏の部下)がさぁ、部長にしてくれって~。それでねぇ『わかった』とぉ。」
B「なるほどぉ~」



さて、A氏が指摘する○○部(恐らくA氏が率いているセクション)の力のなさ。
やはりA氏もサラリーマン道を究めている。
組織内力学への嗅覚の鋭さが垣間見えます。


サラリーマンにとって組織内力学を見極めることは必須条件。
組織内の力関係を見定めて行動しなければ、いい仕事はできないことをよくよく知っています。
ある意味で、組織内秩序(一般的には暗黙的であって、形式化はされていない)をしっかりと守ることがサラリーマン道の鉄則。



さらに、A氏は昇進を望む部下に対して『わかったとぉ~』と組織内秩序を無視したかのような物分りのよさを見せます。
が、恐らくA氏の部下も昇進の決定権がA氏にないことを承知しているはずです。


つまり、『わかったとぉ~』は単なる安請け合いではなく、「お前の気持ちは十分にわかっている。
わかり過ぎるほどわかっている。
だから、皆まで言うな。
お前のことはこの俺に任せろ。大丈夫だから。」
ということを凝縮しています。
これもすでに指摘した絶対的な信頼関係を前提とした発言であり、部下の将来に対するコミットメントをあらわしています。
これこそまさにサラリーマン道における上司と部下の関係といえるでしょう。
また、指摘するまでもなく、B氏はひたすら「なるほどぉ~」を連発します。
まさに「暗黙的に同意していることが多過ぎて、つまり、わかりすぎるほどよくわかっている。
ことの背景・理由・歴史など、そこに至るまでの様々な事象を細部までわかっている」
ということを「なるほどぉ~」に凝縮している。



暗黙的に「あ、うん」で理解できてこそサラリーマン道。長期間、同質的で内部循環的な組織の中で醸成された「暗黙知」。
この暗黙知がサラリーマン道を育む要素なんでしょう。



こんな感じで日本サラリーマンの行動様式・思考様式を少しづつ紐解いていきたいわけです。