週刊文春の映画評
私はほぼ毎週、週刊文春を買います。
理由は連載のコラムやコーナーで気に入っているものがあるからであります。
私が楽しみにしているのが、シネマチャートのコーナーで、ここに5人の評論家(?)たちの映画評が出ている。
この映画評の表現がいつ読んでも秀逸なのです。
実に言葉巧み。5人それぞれ相当に表現能力が高い。
一本の映画への評価コメントをわずか18字×3行=54文字で見事に表現している。
で、それぞれの感性でかなり辛辣な評価が下されています。
わずか54文字で、たとえば
「無意識の井戸が浅く、末梢神経の刺戟がわずらわしい、流れも凡庸。ピーターデミングのキャメラが浪費されている。」(芝山幹郎、翻訳家)
といった高尚な表現が展開されていて、大変刺戟(刺激じゃなく刺戟らしい)になります。
無意識の井戸ってどんな井戸なんだろうとか考えつつも、何だかわかった気になります。
この映画評で、その映画を見ようとか、見たいなとか、考えたことはありません。
完全に54文字の表現力だけが楽しみで読んでいます。
さらに、今度映画を見たら、54文字で評価してみようかな、なんて考えたりしますが、結局バカバカしくなってやめてしまっております。
取り留めない内容でした…