読書感想のつづき
さて、「ヤバい経済学」の中で、私が「ほーっ」と思いましたのが、「割れたガラス理論」の否定です。
レヴィット先生は世の中の通説を疑うんですねー。これが立派。
誤解を恐れず、批判を恐れず、傲慢と思われることを恐れず、私見を申し上げれば、通説などクソ喰らえですから、こうした通説の否定に心地よさを感じます。
---何でも、かのガルブレイス先生によれば、通念(Conventional wisdom)というものは、とても単純であり、かつ、そうだと都合が良いことが条件だと本書内に書いてありました。---
さて、「割れたガラス理論」は私も「なるほど!」と思っていた話です。
ニューヨークの犯罪件数の激減。これに貢献したのが「割れたガラス理論」。
割れたガラスを放置するから、つまり、細かい犯罪をしっかり取り締まらないから、凶悪な犯罪が減らないのだというスタンス。
地下鉄の落書きを消したり、細かい風紀の乱れを正したら犯罪が減ったという話です。
この話をはじめて聞いたとき、大変感心しました。
「なるほど、一事が万事なのだなー」と。
「割れたガラス理論」は色々な場面で使いました。
朝礼、メンバーの説得、役員会で例示、フロク…
この理論にはお世話になりました。
で、レヴィット先生はニューヨークの犯罪件数の減少は「割れたガラス理論」など関係ないとおっしゃってます。
ニューヨークだけ犯罪が減ってわけではなくて、全米の各都市で犯罪が減少しているのだと。
そして、その要因は1970年以降の中絶の合法化によるのだと主張しています。
ご興味ある方は、是非お読みください。
私としては、最近読んだ本で最も興味深いものでした。