読書感想
最近、読んだ本で面白かったのは「ヤバい経済学」(東洋経済新報社)。
ご批判を恐れず私見を申し上げれば、何がヤバいって、タイトルがヤバいと思う。
訳者の方には申し訳ないが、”ヤバい”経済学っていうのはどうなんでしょう。
原書タイトルはFreakonomics。造語だから訳者も困ったのだろうと思います。
内容はかなり面白いです。でも、この本を面白いというのに少し躊躇を覚えます。
途中かなりキツイ内容があって、これを面白いと表現していいのかとは思いますが、でも、面白いです。
学者というのは、当たり前のアプローチをやっていても駄目なんだろうと思います。
誤解を恐れず、かつ、身の程知らずに私見を申し上げれば…
日本で著名な学者先生の中には、海外の学者のオリジナルな発想・研究を単純に輸出してきて、ヨコに書いてあることをタテに書き直すだけで評価されている方がいらっしゃいますが、どうなんだろうと思います。
一方、他にはない発想・アプローチで独自の説を展開する先生には、たとえ未完成な部分があったとしても賞賛を送りたくなります。(私の賞賛などいらないでしょうが…)
「ヤバい経済学」の著者は相当ひねくれものと思われます。
レヴィット先生というシカゴ大学の先生らしいのですが、発想が相当ユニーク。
何に対しても「それは本当なのか?」という疑いの眼で見ている。これが素晴らしい。
通説・通念と思われているようなことをひっくり返したり、否定したり…
それが非常に痛快です。
以前に読んで、面白かった「反社会学講座」(イーストプレス)に似ています。
この本も通説を否定する。
たとえば、「最近凶悪犯罪が増えているなどというけれども、それは真っ赤なウソ」といったこと。
「ヤバい経済学」がどう面白かったか、もう1回引っ張らせてください。