ハンズオン・ハンズオフ議論④(テガケさんの挫折)
何でもハンズオンで手掛ける手掛部長。
ややもすると「箸の上げ下ろし」のレベルまで介入して手掛けます。
こうした手掛部長への一極集中によってブレのない経営を実現。
業績は着実に伸びていたのですが…
快進撃を続けてきた手掛部長でしたが、徐々に成長率が低下し始めました。
心なしか、部門メンバーの士気も低下しているように思います。
「やっていることに間違いはないのに・・・」
手掛部長は業績低下の原因を探しますが、「これっ!」という解に至りません。
業績低下に伴って、手掛部長の介入レベルは上昇の一途を辿ります。
「業績が悪くなってきたということは、もっと自らが現場に”入り込む”べき」
「やっぱり、自分自身が寄り先頭に立たなければならないのだ」
そんな意気込みで、何でもかんでも手掛ける手掛部長。
ところが、やればやるほど空回りが続きます。
手掛部長が危機感から奮闘すればするほど、組織の中に悲壮感が漂います。
「やってることが間違っていないのに、結果が出ないというのはどうしたことだ!」
「要は、結果が出るまで”やり切っていない”ということだ!」
手掛部長の号令は、好調時の合理性を失い始めます。
論理的に考えることが得意であるはずの手掛部長が不調とともに、
精神論へと傾倒し、「要はやってないから、結果が出ないのだ」的な
メンバーにとっては気が滅入る論調になっていきます。
そんな不調になり始めた手掛部長を見かねた担当役員からの一言に
手掛部長はショックを受けます。
「手掛君、マネジメントというのは、配下のメンバーたちの力を最大限に
引き出して成果をあげなければいけない」
「自分が何もすることが無いくらいに、配下のメンバーたちが何をすべきかを
自立的に組み立てて動けるような組織を作ることが理想」
「手掛君は、なんでもハンズオンでやり過ぎている」
というものでした。
更に、手掛部長の最も信頼する部下からの一言が響きました。
「手掛部長が着任してから、部門内メンバーが自分で考えなくなりました」
「部長が何でも結論を出してしまうので、誰も意見を言いませんね」
そして、何と!
「そういうことで、私自身、ここでやっていく意義がなくなってきたので、
退職させてもらいます」

