神経の無い人、神経の太い人(6)総括②
もはや、ナシオ、フトシのネタもお忘れのことと思いますが、
何とか完結にこぎつけたい考えです。
ナシオさんの失敗もフトシさんの失敗も、原因は似ていて、
両者とも、自分の成功体験を捨てきれず、それに頼っていたこと。
そして、それぞれ自分を変える努力が欠けているという話をしました。
フトシさんの場合、自分を修正する力はナシオさんよりは高いようです。
というのは、フトシさんにはフトシさんである自覚がある場合が多い。
つまり、フトシさんには自己認知があるケースが多いようです。
自分が神経が太いということをわかっているのですが、
半ば確信犯的に、それを修正しようとしない。
とにかく、絶望的に痛い目に遭わないと修正しようとしないのが、
フトシさんの特徴です。
その意味で、フトシさんにはプロフェッショナルとしての厳しさが
足りないといえるでしょう。
仕事を仕事とも思わないような「なめた」姿勢がフトシさんの根本に
流れています。
周囲は、それでも憎めないフトシさんを可愛がったり、場合によっては、
特別扱いしたりします。
(「フトシだから仕方ない」などと、鷹揚に許してくれる組織があります。
それにありがたみを感じず、どんどん調子に乗るのがフトシさんです。)
それに図に乗って、どんどん神経を太くしていくのがフトシさんなのです。
こういうフトシさんには、とてつもない挫折を提供するしかありません。
全く特別扱いされず、周囲からも否定的な態度をとられ、孤立するくらいまで
追い込まれると、いよいよフトシさんも自分を修正しようと努力を開始します。
ナシオさんと違うのは、
ナシオさんが自分自身の特長を変えようとした瞬間に、
ナシオさんの良さを失ってしまうのに対して
フトシさんが自分自身を変えることができれば、持ち前の良さを抜本から
失ってしまうというより、新たな要素を加えた形になるということでしょうか。
大概の場合、どん底まで挫折を味わった
(こういうどん底の経験を「試練体験」というそうです)
フトシさんは、プロとして仕事に向き合うことを覚え、
自分だけに通用する方法から脱却して、周囲にも納得を与える。
そうした成長が見えたとき、フトシさんはますます力を発揮します。
但し、試練を乗り越えられればですが…
とりあえず、「神経の無い人、神経の太い人」はこれにて完結としたい考えです。