神経の無い人、神経の太い人(1) | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

神経の無い人、神経の太い人(1)

さて、本日はまじめな路線で。
有機的組織と無機的組織の話。
GW前にいたしました。



今回はその続き。
有機的組織で鍛えられた人材はどんなタイプになっていくか?
一方、無機的組織ではどうか?
ということを書きたい考えです。



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神経の無い人
   と
神経の太い人
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ブログの皆さんも一緒に仕事をしている先輩や同僚の中に
「この人、すごいな」と思うような人物がいますよね。
どんなタイプの人をすごいと思いますか?


勿論、人の「すごさ」は様々ですから、一概には言えません。
それは当然です。
すごく頭のいい人。ものすごく行動力のある人。
様々ですよね。


そんな中で「この人、タフだよなー」というケースがありませんか?
成果に対して貪欲で、目的をきっちりと完遂するタイプ。
(時に、「人としてはどうかと思うよな」なんて批判を受けたりするタイプ)
当たり前ですが、こういうタイプの人材は組織の中で重宝されます。



こうした成果に対して貪欲な目的指向の人には2つのタイプがあります。
神経が無いタイプか神経が太いタイプです。


今日は「神経が無い」タイプについて深掘りしたい。
このタイプの人は先日論じた「無機的な組織」で育まれることが多いようです。
無機的組織は何かと合理的に判断します。
ある意味で、人材もビジネスプロセスにおける機能として捉えます。
メカニカルな組織だということもできるでしょう。


従って、そういう組織の中で生き抜いていくためには繊細で細やかな神経などないほうがいい。
これも自然の摂理かもしれませんが、人間はどんどん適応していきますから、
そうした無機的組織の中で評価されるために、どんどん神経がなくなっていくわけです。
(無機的組織の社員が必ず神経がなくなるという意味ではありません。)






架空の人物を通じて、わかりやすくお話しましょう。


ナシオさんは、とある金融系企業に勤めるダントツのハイパフォーマーです。

入社当時、「やったらやっただけ」給与がもらえるというのが彼にとって大変魅力でした。
金融といっても、その会社には特別な差別化のポイントはありません。
ライバル企業がひしめく業界。
先輩社員からは「ウチの売りは強力な販売力だ」と教わります。
今考えれば、「売りが売りとは…」という感じですが、新入社員のナシオさんはそれを素直に受け止めました。


商品はライバル企業と大差ありません。
顧客は個人。投資経験のある中小企業経営者など。
投資商品の営業ですから、当然、顧客に損をさせることもあります。
また、ノルマを達成できないと上司から”詰められる”厳しい世界です。



同期入社した同僚たちの多くが「営業がつらい」と嘆く中、ナシオさんは「なぜ?」という心境。
やると決めたことは何としてもやりぬく強靭な達成指向だけではなく、彼の特性は「神経が無い」こと。



誇らしげ


そもそも、上司から詰められてもあまり気になりません。
上司は「鬼のような人」とか「冷血漢」などと恐れられていますが、ナシオさんにはさっぱりピンときません。




「新入社員はとにかく顧客を捕まえろ」と言われ、渡されたのが支店周辺の高額所得者らしき名簿。
そこにひたすら電話しろと言われ、ナシオさんはひたすらガンガン電話します。
ほとんどの電話で話もしてもらえず、場合によってはこっぴどくお叱りを受けたりするため、
同じ部署に配属された同期社員はノイローゼ気味です。

ところが、ナシオさんはどこ吹く風。
どんなに怒鳴られても、どんなにクレームを言われようとも、ひたすら電話し続けます。
当然、アポイントの獲得件数は同期中トップ。
それに伴って、ナシオさんは新人離れした業績を打ち出して周囲を驚かせます。




「神経が無い」ナシオさんには、いわゆる感受性とか、

対人理解(相手の状況や心理を理解すること)
というものがほとんどありません。
顧客が嫌がっているとか、上司が成績向上を迫っているとか、

そうした相手の状況を受け入れません。

通常、神経がある人の場合、何の特徴も無い商品や法外な価格の商品を売るとなれば、
相手の立場や状況を慮って、売ることに躊躇が起きたり、腰が引けたりということがあります。
ところが、ナシオさんはそんなことにはなりません。
相手のことを理解しないので、自分の目的達成のために一直線の行動を取ることができる。



ナシオさんは常人では到底なしえないような商談を成立させ伝説を作ります。
全く商品説明なしで受注するとか、
他社の商品パンフレットで受注してしまうとか、
(しかも、本人は他人に指摘されるまで、全くそれに気付かないという状況だったり)
クレームで呼び出されたのに、以前の2倍の商談を成立させるとか…
そんな具合です。




ところが、そんなハイパフォーマーのナシオさんが思わぬ挫折を経験することに…



この続きは次回にさせてください…