この1枚に出会わなければ、今の音楽好きは目覚めなかったかもしれない。
あれは小学6年の夏休みのこと。なぜか学校のグラウンドにテントを張って一夜を過ごすという、ちょっとした合宿のような授業があった。自分たちで夕食や朝食を作る、不思議で楽しい体験だった。
その時、同級生が当時爆発的に人気だったウォークマンを持ち込んでいた。そして僕に聴かせてくれたのが ビートルズ・バラード ベスト20(The Beatles Ballads)。
衝撃だった。
TVCMでしか見たことのないウォークマンに感動するどころか、その音楽の力にすべてを持っていかれた。リアル世代ではない自分たちをこんなにも虜にするビートルズ。リアル世代が受けた衝撃は計り知れない、と子どもながらに感じたほどだった。
その後ダビングをさせてもらい、明けても暮れても聴き続ける日々。やがて中学2年で念願のラジカセとレコードプレーヤーを手に入れ、僕の「音楽の旅」が一気に加速していった。
ちなみにこのアルバム『ビートルズ・バラード ベスト20』は、1980年に発売された編集盤で、「イエスタデイ」「サムシング」「レット・イット・ビー」など名曲バラードを20曲集めた一枚。ビートルズ入門にぴったりのアルバムで、まさに僕の音楽人生の原点だった。



