本日は、生物の生息数の調査に関する問題を扱います。
これも習うものではありませんので、ルールをよく読んで考えるものになります。適性検査もこうした問題に近いものですので、適性検査出題校を受験される方にも、栄養のある問題といえます。
問題
青山君は,「標識再捕獲法」を利用して、近くの公園に生息するアカトンボの数を調べてみることにしました。「標識再捕獲法」とは、以下のように行います。
1、 |
ある地域にすむ動物を一定数(□匹)捕まえて,それぞれに マークをつけて放す。
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2、 |
しばらくして再びその動物を捕まえ(○匹)、そのうちマークの ついているものの数(△匹)を数える。 |
3、 |
1と2から次の関係が成り立つ。 【地域全体にすむ動物の数】:□=○:△ |
4、 |
この比を利用してその地域全体にすむ動物の数を推定する。 |
この方法を利用して,次のように調べてみました。
1日目:30匹捕まえ、そのすべてにマークをつけた。
2日目:再び40匹捕まえ、そのうち5匹にはマークが確認できた。
① |
この公園に生息するアカトンボの数を推定しなさい。
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標識再捕獲法を用いて調べるためにはいくつか必要な条件が あります。その条件を2つ選びなさい。
ア 2回目の採集では、マークをつけたトンボを狙って 捕まえること イ 2回目の採集までに、自然公園の外から新たに たくさんのトンボが飛んでくること ウ マークをつけたトンボが、すぐに自然公園の外へ 移動していかないこと エ マークをつけたことで、そのトンボが外敵に襲われ やすくなること オ マークの付いたトンボと、ついていないトンボが公園内 で混ざって生息すること |
解説
生息数については、□=30、○=40、△=5とわかりますので、説明にある比を使うと以下のように言えます。
【地域全体にすむアカトンボの数】:30=40:5
よって、【地域全体にすむアカトンボの数】は240匹とわかります。
① 240匹
実験において、前提となるのはマークをつけたトンボがその地域に生息しているトンボであることと、そして、マークをつけたがために、そのトンボの増減の仕方が、マークがついていないトンボに比べて変化してしまうことです。
その地域に住んでいないトンボの数は、その地域に住んでいるトンボの数を考えるにおいては無意味ですし、また、マークがあることによって、マークのある個体がない個体に比べて激減してしまうようなことがあれば、その減り方は参考になりません。
それぞれの点につき、指摘があるのはウとエになります。
② ウ、エ