現代史(巣鴨中 2015①) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は現代史(主に制度中心)を扱います。

中学受験にはやや難しい内容で、本番では正解と確信できるもの、不正解と確信できるもののえり分けで解くことになったと思われます。

出来不出来よりは、解説を気にしつつ解いてみましょう。

 

問題

次の文ア~コより正しいものを5つ選んで記号で答えなさい。解答の順序は問いません。

 

ア.

サンフランシスコ平和条約が発効すると,直ちに日本国憲法が制定された。

イ.

日本国憲法が施行されると普通選挙がはじめておこなわれ,国会議員が選出された。

ウ.

1950年代なかばから70年代初めにかけて,年平均10%前後の経済成長率を記録した。

エ.

1960年代にはすべての人が医療保険に加入する,国民皆保険制度が整えられた。

オ.

1970年代には防衛政策や社会保障政策をめぐる対立から,政権交代がたびたび生じた。

カ.

1970年代には財政収入を確保するため,消費税がはじめて導入された。

キ.

1980年代には衆議院選挙における1票の価値の格差をめぐり,違憲判決が出された。

ク.

1980年代なかばから90年代初めにかけて,バブル景気とよばれる好景気がつづいた。

ケ.

1990年代後半には市場開放が進められ,激しいインフレーションがたびたび生じた。

コ.

2014年には消費税の8%への引き上げが実施された。

 

 

 

解説

 

ア:

日本国憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。サンフランシスコ平和条約は1951年9月に調印されました。

×

イ:

普通選挙は1925年に普通選挙制が衆議院選挙法に制定され、1928年にはじめて実施されました。25歳以上の男子が投票権を有し、財産による制限がほとんどないことから普通選挙と呼ばれます。

その後、1945年12月にGHQの指導の下、衆議院選挙法は改正され、改正衆議院選挙法の下、衆議院選挙が行われました。この選挙では20歳以上の男女に選挙権、25歳以上の男女に被選挙権が認められ、婦人参政権が実現しました。

衆議院選挙法はのちに公職選挙法に改められ、現在に至ります。

×

ウ:

この時期は高度経済成長期と呼ばれ、神武景気、岩戸景気、オリンピック景気、いざなぎ景気と、若干の不景気をはさみつつ、好景気が続きました。

エ:

1961年に国民健康保険法が改正され、国民皆保険体制が確立されました。

オ:

1955年から1993年まで、自由民主党を与党とし、日本社会党を最大野党とする55年体制が続きました。この間、政権交代はありませんでした。

×

カ:

消費税は1989年4月に3%の税率で導入されました。

×

キ:

1985年7月17日に、1983年の総選挙につき、1票の格差が最大で4.40倍に至ったことを理由に最高裁で違憲判決が出されました。

ク:

1985年から1991年にわたる好景気をバブル景気といいます。実際の価値から乖離して資産価値が泡のように膨らんだことからそう呼ばれています。そして、一気に下落する様子が泡の破裂になぞらえられ、バブル崩壊と呼ばれました。

ケ:

1990年代は市場開放により、アメリカからのオレンジや牛肉を皮切りに外国から安価な農作物が輸入されるようになり、食品価格は下落しました。これをデフレーションといいます。インフレーションは価格が高騰することを指します。

×

コ:

当初3%であった消費税は、1997年4月に5%へ、2014年4月に8%、2019年10月に10%(※外食・酒類以外の食料品、新聞の定期購読料は8%に据え置き:軽減税率制度)に引き上げられました。

 

ウ、エ、キ、ク、コ