本日は、ユーロ紙幣についての問題を扱います。
EUのもつ徹底した加盟国平等の原則は、中学受験の埒外にあるような気もしますが、ひとつ、ものを考えるきっかけとしてピックアップしてみました。取り組んでみてください。
なお、写真については、試験問題のものは複製等の問題でまずそうに思いましたので、フリー素材のものに差し替えました。
問題
下の写真はある地域で使用されている紙幣です。この紙幣には、実際には実在しない橋や門が描かれています。なぜ、実在しない架空の建造物が描かれているのでしょうか。紙幣が使用されている地域統合体の名前を明らかにした上で、その理由を説明しなさい。
解説
写真を見ると、EU旗やヨーロッパの地図、EUROという通貨単位が描かれています。
つまり、これは、EUで用いられているユーロ紙幣だとわかります。
EUは、加盟国の言語を全て公用語にするなど、加盟国相互の平等を徹底している組織です。一部を除く加盟各国で使われるユーロ紙幣については、特定の国の建造物を描くことは加盟国間の平等に反するので、架空の建造物が描かれているのです。
余談ですが、地域で日常的に使われることが想定されるユーロ硬貨については、裏面に各国ごとに異なる肖像が彫られています。
解答例
ヨーロッパの複数の国からなるEUでは、加盟国間の平等を図るために、各国で使用される紙幣には特定国の建造物や人物を描くのを避けて、架空の建造物が描かれている。