衆議院の優越(横浜雙葉中 2016) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は衆議院の優越に関する問題を扱います。

終戦記念日である本日を思えば、本来はもっとふさわしい問題があるのかもしれませんが、日本の戦争は軍部にも原因がありつつ、じつは国会も大きく関与していますので、そうした意味を込めて取り上げます。難しい話や考え方の問題もあるところなので、中学受験でも詳細は語られず、高校日本史でも、あまり強く追及されないところでもあります。いずれ時間ができれば、大正デモクラシー以降の国会の議事録を読んでみてください(莫大な量がありますが、まずは斎藤隆夫議員の質問を中心に読まれるとよいでしょう)。

戦争への反対意見がいかに述べられてきたか、そして賛成したりする意見も無論あったわけで、そうした意見をいかに当時の内閣や軍部が利用したり、押し戻したりを繰り返してきたか、なかなか味わい深いもの、身につまされることがあります。

そうした意味では、この日に国会を振り返るのも悪くないように思い、取り上げました。

 

問題

国会で衆議院と参議院の意見が一致しないときには、参議院よりも衆議院に優越が認められている場合があります。なぜ、衆議院の優越が認められているのですか。その理由を「任期」「解散」という二つの言葉を使って、説明しなさい。

 

 

解説

憲法において、①法律案、②予算、③条約の承認、④内閣総理大臣の指名について、②から④は参議院が衆議院議決後一定の期間、議決をしない場合、または衆議院と参議院の間での話し合い(両院協議会)で成案が得られない場合は衆議院の議決を国会の議決とします。また、①については参議院が異なる議決を行った場合や一定の期間、議決をしない場合、衆議院は最初の議決よりも厳しい条件で再議決を行い、ふたたび可決されれば衆議院の議決が国会の議決となります。この問題における「衆議院の優越」は、以上の内容となります。

どうして衆議院に優越が認められるのかといえば、それは衆議院には解散があること、そして参議院に比べて任期が短いことから、衆議院がより国民の意思を反映していると考えられているからです。

 

解答例

衆議院の方が参議院に比べて任期が短く、また、解散もあるため、より国民の意思を反映しているものと考えられているから。