瀬戸内海の安全と平清盛(海城中 2018①) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は、厳島神社建立の由来にかかわる問題を扱います。

平安時代末期の海運が決して安寧なものではなかったという理解と、貿易制度に現在のようなリスク軽減の仕組みがないということへの想像力があれば、問題なくかける記述です。取り組んでみてください。

 

問題

瀬戸内海は古くから海難事故が多かった地域でした。平清盛は、瀬戸内海での航海の安全を祈って厳島神社を建てました。平清盛にとって瀬戸内海の航海がなぜ重要だったのか、《地図》のA地点の役割に触れて、50字以内で説明しなさい。

 

 

 

解説

明石海峡より少し東にあるA地点は現在、神戸市のあたりで、当時は大輪田泊といわれる貿易港がありました。平清盛は、この大輪田泊で日宋貿易を行い、巨額の利益を上げていました。

現在では、貿易には保険などの制度がありますが、当時はそうしたものがなく、船が無事に到着すれば大いに儲かるが、そうでなければ大損をするという、非常にリスキーなものでした。航海の安全は、平清盛が率いる平家政権にとって、大きな関心事でったのです。

 

解答例

日宋貿易で利益を上げるためには、貿易船が無事に大輪田泊までたどり着くことが必要であったから。(46字)