本日は、エスカレーターの問題を扱います。
予習シリーズにも載っている速さの有名な派生問題ですが、エスカレータを歩く人が上る段数と、エスカレーターがその人を運ぶ段数の合計がエスカレーターの総段数、ということがなかなか直感的にはわかりにくく、よくわからないという人が多い問題です。
難関校、中堅校では時々出題されますが、今後は出されにくくなるかもしれません。
というのも、鉄道などの設置事業者より最近、エスカレーターを歩いて上らないでほしいとの呼びかけがあり、歩いて上ることがマナー違反とされてきつつあるからです。
とりあえず、何か違う形に加工されて出されることもありそうなので、やり方は頭に入れておきましょう。
問題
地下から地上まで分速30mで動くエスカレーターがあります。ただし君が立ち止まったまま乗ると地上まで90秒かかり、つよし君が一定の速さで歩いて22段上ると地上まで54秒かかりました。このエスカレーターが止まっているとき、エスカレーターは全部で何段ありますか。
解説
ただし君がのぼった速さはエスカレーターと同じ、つよし君がのぼった速さはエスカレーターにつよし君の速さを足したものになります。
そうすると、エスカレーターの速さは30m/分とわかります。つよし君が上った速さは、ただし君とつよし君の時間の比が5:3になることから、速さの比が3:5となり、計算すると30÷3×5=50m/分となります。
このとき、エスカレーターとつよし君の速さは合わせて50m/分から、つよし君は50-30=20m/分となり、エスカレーターとつよし君の速さの比は3:2となります。
このとき、つよし君は22段上っています。道のりの比がエスカレーターの段数とつよし君の段数で3:2になりますので、エスカレーターは33段分つよし君を運んだことになります。
よって、エスカレーターの段数は全部で33+22=55段になります。
55段