「とかす」意味の違い(広尾学園中 2019①) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は「とかす」の意味の違いを考える問題を扱います。

物質の変化について、水に溶けたものなのか、他のものと結びついて化学変化したものなのかを常に意識したいところです。

そうした意識を問うという意味ではよい問題ですので、ぜひ取り組んでみてください。

 

問題

「とかす」という言葉は、砂糖を水に「とかす」場合にも使いますし、アルミニウムを塩酸に「とかす」場合にも使います。両者の「とかす」を比べるため、とかしたあとの両者の水溶液の水を蒸発させて、蒸発後に残った物質を考えました。両者で用いられている「とかす」という言葉の意味の違いについて、蒸発後に残る物質に着目して説明しなさい。

 

 

解説

蒸発させた後に残るものを考えると、砂糖水の場合は、黒く焦げた砂糖が残り、アルミニウムをとかした塩酸は、塩化アルミニウムという物質が残ります。

黒く焦げた砂糖は、焦げているとはいえ、砂糖であることには変わりませんが、塩化アルミニウムは、アルミニウムとは別の物質になります。つまり、前者は溶解という意味になり、後者は化学反応が起こったものということができます。

 

解答例

砂糖を水にとかし蒸発させると砂糖が残るが、アルミニウムを塩酸にとかし蒸発させるとアルミニウムとは異なる、塩酸の塩素とアルミニウムが結びついた塩化アルミニウムが残る。つまり、砂糖の「とかす」は溶解を指し、アルミニウムの「とかす」は化学反応を意味する。