流水算と比(慶應義塾湘南藤沢中等部 2018) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は、流水算と比の問題を扱います。

どうも、SFC中等部や難関校でよく見かけるパターンの問題で、情報整理能力と運行状況の正確な想像が求められるものです。

今回の解説は図を最小限にしましたが、図を書くこと自体は、思考力を鍛えるのにうってつけです。どんどん書いて考えましょう。

帰国生の人もSFCは一般と同じ問題になりますので、しっかり解いておきましょう。

 

問題

 ある川では,上流にある地点Pと,その下流にある地点Qを,2そうの船A,Bが往復している。どちらの船も地点P,Qに着くとすぐ折り返すものとする。

 

 毎日午前6時に地点Pを出発する船Aは,午前7時30分に地点Qに着き,折り返して午前10時30分に地点Pに着く。船Aの静水時の速さは,川の流れの速さの何倍ですか。

 

 毎日午前6時に地点Pを出発する船Bは,午前7時12分に地点Qに着く。船Bの静水時の速さは,船Aの静水時の速さの何倍ですか。

 

 ある日,午前7時30分に地点Qを出発した船Aが途中で動かなくなり,下流の方に流され始めた。そして,地点Pに着いてから折り返してきた船Bと午前10時6分に出会った。

 船Aが動かなくなったのは午前何時何分ですか。

 

 

 

解説

船Aの上り下りの速さの比を考えます。

時間の比が上り:下り=2:1より、速さの比は上り:下り=1:2となります。

そうすると、上り:静水時:下り=1:(1+2)÷2:2=2:3:4(速さの比)となります。

よって、静水時:流れの速さ=3:3-2=3:1とわかり、答えは3倍と求まります。

⑴ 3倍

 

船Aの下り:船Bの下り=4:5(速さの比)で、このとき、船Aの静水時の速さは比の3、流れの速さは比の1と表せます。そうすると、船Bの静水時の速さは比の5-1=4となります。

よって、求める値は4÷3=4/3倍となります。

⑵ 4/3倍

 

船Aの静水時の速さを③、船Bの静水時の速さを④、流れの速さを①とします。

まず、船Bの動きについて考えます。

船Bの上り下りの時間の比は④+①:④-①=5:3になり、実際、下りにかかった時間が72分であることから、上りには72÷3×5=120分かかるとわかります。

 

以上から、船Bは以下のように動きます。

P(6:00)→Q(7:12)→P(9:12)→<船Aと出会う 10:06>→Q(10:24)→…

 

そうすると、船Bは、PからQに向け、⑤の速さで進んでいるときに、①の速さでQに向けて流されている船Aに出会ったということが分かります。

 

このとき、船Bはあと18分でQに到達しますが、船Aは18×5=90分後の午前11時36分にQに到達します。

 

 

 

船Aについて、動きを表にすると、以下の通りです。

 

 

船Aの上りの速さと流速の速さの比が③-①:①=2:1より、出会いの時間は、午前7時30分から午前11時36分の間を1:2にわける時間だとわかります。

よって、求める時間は午前7時30分+246分÷(1+2)×1=午前8時52分です。

⑶ 午前8時52分