2つの量を仮定をする割合(神戸女学院中 2008) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日は、二段階の仮定のある割合の問題を扱います。

仕事算の仕事量など、実際に数値はないものの、数値を仮定して行う割合の問題はよくありますが、たいてい、仕事量など1つの量についての仮定でことは足ります。

今回扱う問題は、資源の量、二酸化炭素排出量と2つの量を仮定しなければならない問題です。このブログの作成方針通り、そこまで難しい問題ではありませんが、きちんと条件を見ていかないと、少し混乱するかもしれません。気を付けて取り組んでください。

 

問題

同じ量のエネルギーを作り出すとき、石炭を使うと二酸化炭素排出量が最も多く、それに対して石油は石炭の8割、天然ガスは石炭の5割5分です。

現在、日本の上記エネルギー源の割合は、石油53%、石炭17%、天然ガス10%ですが、二酸化炭素の排出量を減らすため、この割合を10年後には石油42%、石炭18%、天然ガス15%にするという目標を立てています。もし現在この目標を達成したならば、上記のエネルギー源からの二酸化炭素排出量は、全体として何%減らすことができますか。四捨五入して小数第一位まで求めなさい。

 

 

解説

同じ量の石炭、石油、天然ガスの二酸化炭素排出量をそれぞれ、201611としましょう。

※本来、○いくつ、と表したほうがよいのですが、申し訳ございませんが、技術的な理由より、太字にて表します。

 

そうすると、現在の日本の二酸化炭素排出量は全体を100とすると、以下のようになります。

17×20+53×16+10×111298

 

同様に、10年後について求めると以下の通りです。

18×20+42×16+15×111197

 

よって求める減少率は以下の計算で求まります。

(129811971298×100=7.78…%

 

すなわち、求める減少率は7.8%となります。

7.8%

 

本当に、このような計算で求めるのかと疑問に思われるかもしれません。おそらくその原因は、今年のエネルギー総量の100と10年後のエネルギー総量の100が同じになることにあると思います。

実際には、今年と10年後のエネルギー総量が同じ、ということはあり得ませんので、その疑問は正しいものですが、問題においてはそうした言及がありませんので、このまま計算するほかはありません。