本日は、平均の意味、数列の和を問う問題を扱います。
平均、数列の和とも、本番を迎えるころの中学受験生ならば、ほとんどの人が理解していることですが、その理解していることでも、聞かれ方次第では戸惑ってしまうこともあるものです。それほどは難しくない問題ですが、思考練習には適した問題です。
挑戦してみてください。
問題
1からある数までのすべての整数の中から1つだけ取り除き,残った整数を考えます。
例えば,1から7までの整数から3を取り除くと,
1,2,4,5,6,7
が残ります。
次の問いに答えなさい。
⑴ |
1から100までの整数の中から1つだけ取り除きました。 残った整数の平均は,554/11になりました。取り除いた整数を 答えなさい。
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⑵ |
1からある数までの整数の中から1つだけ取り除きました。 残った整数の和は,600になりました。取り除いた整数を 答えなさい。
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1からある数までの整数の中から1つだけ取り除きました。 残った整数の平均は,440/13になりました。取り除いた整数を 答えなさい。
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解説
まず、平均はすべての数の和/数の個数で表すことができます。
そうすると、⑴は数の個数が99個とわかっていますので、平均はすべての数の和/99となるはずです。
そうすると、すべての数の和は554×9=4986となります。
一方で、1から100までのすべての数の和は(1+100)×100÷2=5050となります。
よって、取り除いた整数は5050-4986=64
⑴ 64
次に、1から足し合わせて和が600近辺になる数を考えます。
1からある数nまで足し合わせることを考えると、1からnまでの和は以下のように表せます。
(1+n)×n÷2=(1からnまでの和)
そうすると、n×(n+1)≧1200となるnを探すことになります。
このとき、30×40=1200から検討を付けていくと、35×36=1260とわかります。
そうすると、n=35となります。
n=35より、求める答えは1260÷2-600=30とわかります。
なお、n=36以降のときも、36×37=1332、37×38=1406、…となり、答えにあてはまる様に思えます。
しかし、n=36のとき、求める答えは1332÷2-600=66と、ある数までにない数が取り除いた数になってしまいます。n=37以降、取り除く数は大きくなっていきますので、不適です。
⑵ 30
平均は、繰り返しになりますが、すべての数の和/数の個数で表すことができます。
そうすると、平均が440/13になるとき、約分のことも考えるとすべての数の和、取り除く数も含めた数の個数は以下のように表せます。
すべての数の和:440×m
取り除く数も含めた数の個数:13×m+1
m=1のとき
取り除く数も含めた数の個数:14個
取り除く数も含めたすべての数の和:(1+14)×14÷2=105
すべての数の和と、取り除く数も含めたすべての数の和の差(つまり、取り除いた数です)が、取り除く数も含めた数の個数、つまりある数までの数であることが必要になります。
m=1の場合、取り除いた数が440-105=335、ある数が14ですので、不適です。
さて、1からある数まで足した場合、大体の平均が440/13=33.8…です。1から順に数を足した場合、平均値はおおよそ真ん中の数になります。ここでは、1つ整数が除かれていますが、そのために大きく平均が変化するということはありません。そうすると、おそらく、66、67、68くらいまで足したのだと見当がつきます。
そうすると、ある数が13×5+1=66になるm=5あたりと見当がつきます。
m=5のとき
取り除く数も含めた数の個数:66個
取り除く数も含めたすべての数の和:(1+66)×66÷2=2211
このとき、ある数は66、取り除いた数が11になるので、取り除いた整数は11とわかります。
⑶ 11