生真面目に解くべきダイヤグラム(中央大学附属中 2020①) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日はダイヤグラムの問題について取り上げます。

ダイヤグラムというと、比、相似などのテクニックを駆使して解いていく印象が強い分野になります。

やや偏見もあるかもしれませんが、女子校、帰国入試などでよく見かける問題で、ある程度解き方のスタンダードが確立されつつ、その中で、しっかり表を読み解き、いかに比や相似を活用してテクニカルに解いていくのかを見たいのであろう問題として出題されているように思います。

今回扱うダイヤグラムの問題は、表の読み解きは問われるものの、比や相似で解こうとすると、すこしハマってしまうという、やや珍しい問題です。

純粋にダイヤグラムの意味を問う、という意味では使える問題ですので、ダイヤグラムが読めるか不安、という人は、ぜひ解いてみてください。

 

問題

太郎君と次郎君がそれぞれ一定の速さで家から駅まで歩きます。太郎君が家を出発してしばらくたってから,次郎君が家を出発しました。駅へ行く()中,次郎君はコンビニに寄って買い物をしたところ,2人は同時に駅に着きました。下のグラフは太郎君が家を出発してからの時間と,2人の間の距離(きょり)を表したものです。

 

 

(1)  次郎君の歩く速さは毎分何mですか。

(2)  家からコンビニまでの距離は何mですか。

(3)  家から駅までの距離は何mですか。

 

 

解説

まず、2人の間の距離を表したダイヤグラムを読み取ります。

ダイヤグラムは形状の変化が起こる点が何かが起こった点になります。

 

 

こうしてみると、青い部分は次郎君が止まり、太郎君が歩いているところ、黄色いところは次郎君が太郎君を追いかけて2人の間をつめているところとわかります。

 

そうすると、以下のことがわかります。

 

太郎君の速さ:177.6÷3=毎分59.2m

次郎君の速さと太郎君の速さの差:(177.6-59.2)÷(11-3)=毎分14.8m

 

そうすると、次郎の速さは59.2+14.8=毎分74mとわかります。

⑴ 毎分74m

 

グラフを見ると、次郎君は太郎君出発後3分で出発し、太郎君出発後11分にコンビニに到着します。

ですので、家からコンビニまでは(11-3)×74=592m

⑵ 592m

次郎君がコンビニで買い物した時間は(473.6-59.2)÷59.2=7分、コンビニを出発した次郎君が駅で太郎君に追いつくまでの時間は473.6÷14.8=32分と分かります。

 

そうすると、太郎君が歩いた時間は合計11+7+32=50分となります。

よって、家から駅までは59.2×50=2960mとわかります。

⑶ 2960m

 

※ダイヤグラムの問題というと、図形やその相似、比を活用して考えることが多いのですが、この問題は比を使うことがさして利便性が高いわけでなく、素直に速さを考えて解くと楽に解くことができます。

ちなみに、比を使うと下図のような関係を使うことになります。

 

 

上図からコンビニにいた時間は3:7=3分:(コンビニにいた時間)となりますので、7分とわかります。

また、次郎君コンビニ出発から駅までの時間も、2:8=(11-3=)8分:(次郎君コンビニ出発から駅までの時間)となりますので、32分とわかります。