本日は、規則性について扱います。
平方数というのは同じものを2回かけた数のことをいい、例えば、2の平方数は2×2=4、3の平方数は3×3=9となります。
中学数学で習うものですが、中学受験でも見かけないわけではなく、海城中や、桐蔭学園中(帰国)などで出題例があります。
今回は、2020年に明大中野八王子中で出題されたものを扱います。
明治大学中野八王子中 2020①
問題
次のように数があるきまりをもって並んでいます。
1,4,9,16,25,36,……
次の問いに答えなさい。
⑴ となりあう数の差が31になるとき、小さいほうの数を求めなさい。
⑵ 並んだ3つの数の和が1730になるとき、まん中の数を求めなさい。
解説
この問題は、実験による方法と、式の仕組みを使った方法の2通りの解き方があります。
①実験による方法
⑴
1番目と2番目、2番目と3番目、4番目と5番目の数字の差を順に書いていくと、以下のようになります。
3,5,7,…
上の数字の並びを初項が3、公差が2の数列として考えると、31は(31-3)÷2+1=15番目の数字とわかります。
この数列は、1番目が(問題の数列の2番目―1番目)、2番目が(問題の数列の3番目-2番目)となりますから、15番目は(問題の数列の16番目-15番目)とわかり、問題の数列の15番目を求めればよいとわかります。
問題の数列をよく見ると
1×1,2×2,3×3,4×4,5×5,6×6,…
と読み取ることができますので、15番目は15×15=225とわかります。
225
⑵
1番目+2番目+3番目、2番目+3番目+4番目、3番目+4番目+5番目を順に書いていくと以下のようになります。
14,29,50,…
少し見つけにくいかもしれませんが、それぞれ4×3+2、9×3+2、16×3+2と、並んだ3つの数のまん中の数×3+2とわかります。
すると、(1730-2)÷3=576が求めるまん中の数とわかります。
576
②式の仕組みを使う問題
⑴
求める数が○番目の○×○として考えます。
○+1番目から○番目の数を引くと以下のようになります。
=(○+1)×(○+1)-○×○
=○×(○+1)+1×(○+1)-○×○
=○×○+○+○+1-○×○
=2×○+1
=31
このとき、○=15とわかりますので、求める数は15×15=225です。
225
別解)
○番目、○+1番目が○×○、(○+1)×(○+1)の正方形として表せることを利用して解きます。
色のついた部分が差の31となりますので31=○×1×2+1×1となり、これを解くと、○=15とわかります。
⑵
まん中の数を□番目の□×□とします。
そうすると。(□-1)番目、□番目、(□+1)番目は以下のようになります。
=(□-1)×(□-1)+□×□+(□+1)×(□+1)
=□×(□-1)-1×(□-1)+□×□+□×(□+1)+1×(□+1)
=□×□-□-□+1+□×□+□×□+□+□+1
=3×□×□+2
=1730
以上から、□×□=(1730-2)÷3=576とわかります。
576