第219話:取引がされていない架空の金額 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田たちは新たに販促課の横山を加え
倉持部長の講義を受けに人事部へ
やってきていました。


第219話:取引がされていない架空の金額

横山から割引についての説明が
一通り終わった所で倉持は
販売促進と費用の関係性について
説明していきます。

「販売促進は販促費として
損益計算書の変動費に計上されます。

月ごとに使う費用も変わり
掛る費用も集客に伴って
上がっていきます。」

倉持
「では本田君、
ここまでの販売促進について
簡単に要約して説明してくれますか」


本田
「販売促進は簡単にいうと
お客様を集めたり商品を売り出す事を
加速させる意味があります。

手っ取り早いのが割引での販促、

でも地道にお店の基盤を作らないと
呼びこんでも一過性に終わる

と言う事ですね」

「そうね。
では費用についてはどうでしょうか」


「販売促進費はその名の通り
販促に掛る費用ですが実際は取引が
されていない架空の金額の様な
感覚はありますね」

前田
「どういう事ですか?」

「販売促進費の中で割引金額が
PL上に計上される時というのは
実際の売値から引いた値引き額を
計上する訳ですが

その受け取っていない金額が
取引として計算されるのは実店舗の
店長なら現金が手元に残らないので
危機感を持って考えないと
運転資金にも影響するのでは
無いでしょうか」

横山
「例えば
割引で50%OFFの特別セールを
行って集客したとすると
100円の商品が50円で買える訳ですが
これを行った事によって
売上は本来の金額より半分に
なってしまいます」


「そうですね」

「売上金額はいつもより増えていても
現金がいつもより少なかったら
支払いが出来なくなりますよね」


「そうか。
売上の中には割引金額も含まれるから
割引しすぎると現金が足りなく
なるんですね」

「価格設定は結構曖昧なものです。
言い値のものもあれば基準がある物も
あり様々な設定方法があります。」


「飲食店は基本的には原価率によって
価格の基準が決まるのであまりにも
大幅なブレはお客さんの立場でも
解ると思うのでさほどブレません」


「ブランドバックなんかは
原価考えたらなんでこんなに
高いんだろうって
思う時ありますけどねー」



「では本田君が言う様に
販売促進費を応用して顧客心理や
格安感を煽った戦略を紹介します」



倉持がそう言って紹介したのは
ある分野の市場でした。

つづく